THE ANALYSIS OF SPONTANEOUS CLOSURE MECHANISMS AND REGENERATION OF RETINAL LAYERS OF A FULL-THICKNESS MACULAR HOLE
Relationship with Visual Acuity Improvement
Morawski K. et al (Poland)
Retina 36(11):2132-2139, 2016
MHの自然閉鎖は時に報告されており、Yuzawaらは6例/97眼(6.2%)でSugiyamaらは3.5%との報告
外傷性MHでは自然閉鎖の率が高いともいわれている(手術まで2-3M経過を見る)
10例10眼のFTMH患者 変視症状や視力低下と診断までの期間:duration of symptoms
診断からOCTによる閉鎖までの期間:duration of the spontaneous closure
年齢、BaselineBCVA,自然閉鎖後6MのBCVA、最初と最終BCVAの差、レンズと硝子体の状態、ERMの有無を調査
OCT:PVD,VMT,外顆粒層のbridge, vitreoschisis, ERM, hole edge(sharp-edged, oval-edged), : 1,3,6M
外顆粒層、外境界膜、視細胞の内節と外節の境界、外節とRPEの境界を特に精査
Glial cell bridgingのメカニズムに基づいて閉鎖した
4例では既に硝子体剥離があり、2例ではERMがあった
診断までの期間:平均11.8W(2-28W)、自然閉鎖までの期間:23.5W(3-48W)
診断までの期間が短いほど、自然閉鎖までの期間が短かった
自然閉鎖までの期間とは、年齢・最終視力と正の相関を認めるが、計学的な有意差はない
90%がsharp-edgedであったがbridging processのretina cell proliferationを示しているのかもしれない
硝子体の牽引や、硝子体剥離はこれまで重要な因子と考えられていたが、あまり重要ではないかもしれない
VMTのあるMHにOcriplasminを投与しても40%しか自然軽快しなかった
ONLとELMは再構築され、EZが再構築されたものが視力改善したが、IZは全例で再構築がなかった。視力の改善にはEZの再建が重要であると思われる
OCTにてbridgingが認められた場合は自然閉鎖する可能性がある(MM)
Retinal vascular cystoid macular edema. Review and new theory.
Spaide RF(NY USA)
Retina 36(10): 1823-1842, 2016
・CMEについてのOCT angiographyは網膜深層の網膜血管を解明し、cystoid spaceの近辺には血管網があまりないことも明らかになった。
・視細胞内節まで軸索を伸ばしているMüller細胞は、網膜内の液体の流れにもっとも関与しており、Müller細胞内を移動する流れが、網膜内の余った水を血管に導いていることが分ってきた。
・Müller細胞はaquaporin 4チャンネルをその先端に濃密に持ち、カリウムsiphon作用を使って水の出し入れをしている。
・網膜深層では血管は血管網になっており、表層よりも血管圧が低く、水は表層から深層に向かって流れ、Müller細胞の働きで網膜内から硝子体へ排出されている。
・CMEの発生に関与しているMüller細胞の病態生理は新たな治療方法を教えてくれる。(図10)(TY)
Experimental visualization and quantification of vitreous contamination following intravitreal injections.
Nakashizuka H et al(日大)
Retina 36(10): 1882-1887, 2016
・豚眼で結膜上にブ菌とほぼ同じ大きさの蛍光微粒子を添付し、27G、30G、32G針で生食0.05mlを硝子体内へ注入したところ、ほぼ全例で硝子体内に蛍光微粒子が確認された。
・27G針で注入した場合が最も大量に硝子体内で見つかった。(TY)
Technique of laser chorioretinal anastomosis creation in central retinal vein occlusion and success rate with a new photocoagulator system.
McAllister IL et al(Australia)
Retina 36(10): 1971-1978, 2016
・5wattまで出力の出る光凝固装置でCRVO患者にレーザー脈絡膜網膜血管吻合(L-CRA)と抗VEGF治療を同時に行った。
・Integre Plus(Ellex)のレーザーで、532nmで5wattの出力が出せる。
・実際には、2.5-3.5Wの出力で、50μm、0.1病照射を行った。
・静脈壁を熱凝固した後、静脈壁を穿孔させた。
・出血があった場合も眼球圧迫で処置できた。
・静脈壁が穿孔できなかった場合、Nd:YAGで2-4mJで静脈壁を穿孔させた。
・未治療のCRVO患者33名中29名(88%)でL-CRAが成功した。
・使用した平均出力は2.7Wで、平均1.8か月後に完成した。
・2か所に凝固を行ない、18例は2ヶ所にL-CRAが成功、11例は1ヶ所だけにL-CRAが成功した。
・これは、全体では66ヶ所中47ヶ所(71%)で成功したことになる。
・追加のNd:YAG凝固を39%の場所で行っている。23か月の平均観察期間中に問題のある合併症は発生しなかった。(TY)
Photoreceptor outer segment length and outer foveal thickness as factors associated with visual outcome after vitrectomy for vitreomacular traction syndrome.
Ichiyama Y et al(志賀大)
Retina 36(9): 1707-1712, 2016
・硝子体黄斑牽引症候群の硝子体手術後の視力予測ができるかを21例21眼で検討した。
・12か月後の最高視力BCVAは以下と有意に負の相関があった。
・術前の中心窩外層厚(r=-0.501 p=0.029)、視細胞外節長(r=-0.523 p=0.022)。年齢、眼軸長、術前視力術前中心窩厚とは相関がなかった(TY)
Comparative evaluation of sequential intraoperative use of whole blood flowed by brilliant blue versus conventional brilliant blue staining of internal limiting membrane in macular hole surgery.
Ghosh B et al(India)
Retina 36(8): 1463-1468, 2016
・黄斑円孔手術時にbrilliant blue(BB)で内境界膜を染める前に自身のヘパリン化した全血を黄斑部に塗布した効果を検討した。
・60例60眼を全血を塗布したA群としなかったB群に分けて検討した。
・矯正視力はA群で有意に良かった(3,6,16W,6Mで、P<0.001, <0.001, =0.004, =0.004)。内層と外層の接合部の連続性はA群で有意に良かった(P=0.02, 0.002, 0.003, 0.03)。
・外中心窩厚OFT(内網状層からRPEまで)は3週間目(p=0.001)、6週間目(P=0.001)でA群で有意に厚かった。
・全血の塗布は視細胞再生を早め、中心窩外層厚を増加させると考えた。(図)(TY)
Clinical characteristics of idiopathic foveomacular retinoschisis.
Maruko I et al(東京女子医大)
Retina 36(8): 1486-1492, 2016
・5例5眼の特発性黄斑部網膜分離症の臨床像を調べた。
・男性2名、女性3名で、年齢は71-78歳、屈折度は平均+2.40D(+0.88~+5.75D)、眼軸長は平均22.0(21.1-23.1mm)、全例網膜分離症は黄斑部から視神経乳頭まで及んでおり、全例、片眼のみであり、矯正視力は20/44。
・高齢で、片眼性、短眼軸長の遠視、完全なPVDがあり、FAでは視神経乳頭から軽度の漏出がみられた。(図)(TY)
Diagnosis of Type 3 Neovascularization Based on Optical Coherence Tomography Images.
Kim JH, Chang YS, Kim JW, Lee TG, Kim HS. (Korea)
RETINA. 2016 ;36(8):1506-15.
【目的】
・AMD患者において、Type3 neovascularization(=RAP)のICGA診断とOCT診断の一致性を評価
【対象と方法】
・未治療の血管新生AMD患者263名263眼、OCT所見で以下の徴候のうち3つ以上満たすものをRAPと診断
①中心窩下の脈絡膜厚<200μm、②網膜内に液体貯留、③網膜下液なし、④明らかな頂点のない、なだらかなドーム状または台形の網膜色素上皮剥離、⑤網膜内腫瘤性病変
【結果】
・3徴候以上を満たしたのは典型AMDで8眼(9.8%)、PCVで4眼(2.7%)、RAPで30眼(88.2%)(P<0.001)
・OCTでRAPと診断され、ICGAでほかのAMDサブタイプと診断されたのはわずか5.2%【Tab.1】
【結論】
・RAPのOCT診断はICG診断と高い一致性を示した(MK)
Diagnosis of Type 3 Neovascularization Based on Optical Coherence Tomography Images.
Kim JH, Chang YS, Kim JW, Lee TG, Kim HS. (Korea)
RETINA. 2016 ;36(8):1506-15.
【目的】
・AMD患者において、Type3 neovascularization(=RAP)のICGA診断とOCT診断の一致性を評価
【対象と方法】
・未治療の血管新生AMD患者263名263眼、OCT所見で以下の徴候のうち3つ以上満たすものをRAPと診断
①中心窩下の脈絡膜厚<200μm、②網膜内に液体貯留、③網膜下液なし、④明らかな頂点のない、なだらかなドーム状または台形の網膜色素上皮剥離、⑤網膜内腫瘤性病変
【結果】
・3徴候以上を満たしたのは典型AMDで8眼(9.8%)、PCVで4眼(2.7%)、RAPで30眼(88.2%)(P<0.001)
・OCTでRAPと診断され、ICGAでほかのAMDサブタイプと診断されたのはわずか5.2%【Tab.1】
【結論】
・RAPのOCT診断はICG診断と高い一致性を示した(MK)
Endophthalmitis after intravitreal injection. Role of prophylactic topical ophthalmic antibiotics.
Li AL et al(TX USA)
Retina 36(7): 1349-1356, 2016
・硝子体内注射後の眼内炎につき、注射前後に抗生剤点眼を使用したか否かで、その頻度を調査した。
・2011/1~2011/12は使用し、2013/1~2014/12は未使用とした。
・90,339回の注射で、30例の眼内炎が発症した(0.033%で、3,011回に1回発症)。
・ブ菌が最多(10例、33%)、streptococcus mitis(2例、7%)であり、14例47%は培養が陰性であった。
・周術期の抗生剤使用(0.035% 95%CI=0.07-0.064%)と未使用(0.021% 95%CI=0.008-0.033%)では有意差はなかった(p=0.261)。(TY)
Baseline spectral domain optical coherence tomographic hyperreflective foci as a predictor of visual outcome and recurrence for central serous chorioretinopathy.
Lee H et al(Korea)
Retina 36(7): 1372-1380, 2016
・62眼の中心性漿液性網脈絡膜症CSCについて、SD-OCTでみられた網膜内微小高反射巣(HF)と、最終視力や光凝固後の再発との関連について検討した。
・黄斑部と漏出点のHFの数を網膜内層、外層、網膜下、RPE下について調査した。
・最終視力は61/62例で20/22以上が得られた。
・網膜下液が吸収されるまでの期間は、黄斑部と漏出点のHFの総数と正の相関があった(それぞれ p=0.047、p=0.004)。
・最高視力が得られるまでの期間は初診時の最高のlogMARと、黄斑部のHF総数と相関していた(それぞれ p<0.001、p=0.02)。
・再発は不規則なRPEと、漏出点の網膜内HF数に相関していた(それぞれ p=0.02、p=0.01)。
・初診時のHF数は、解剖学的あるいは機能的な回復や、再発の予測因子になりうる。
・HFの本体は不明だが、HFはlipoproteinや、視細胞を貪食した活動性のmicroglia、あるいは、網膜内に遊走したRPEでろうと考えられる(図)。(TY)
COMPARING PERIPHERAL VITRECTOMY UNDER AIR AND FLUID INFUSION FOR PRIMARY RHEGMATOGENOUS RETINAL DETACHMENT
Retina 36(7) :1281-1284, 2016
空気灌流下でVitrectomyを行うと、①表面張力の増加によって網膜のstabilityが増加する ②より周辺網膜まで観察することができる というメリットがある
Air群とFluid群各40眼を比較 患者背景に差はなし
Air群:fluid-air exchangeを行って復位させてから周辺硝子体郭清
Fluid群:周辺圧迫し硝子体郭清してからfluid-air exchangeを行って復位
設定:Constellation, air infusion 40-45mmHg, cut rate 4000-5000 cuts/min, vacuum 400-450mmHg
術後平均観察期間:Air:19.4±8.2M、Fluid群:27.8±11.2M
術後成績に差はなかった
欠点:硝子体の切除時に眼圧変動することがある(空気灌流圧高め、吸引低めで設定)、レンズ後面の曇りや前房内のバブルで視認性が低下する(MM)
PERFLUOROCARBON LIQUIDS’ ABILITY TO PROTECT THE MACULA FROM INTRAOCULAR DROPPING OF METALLIC FOREIGN BODIES
A Model Eye Study
CM Shah et al (NY)
Retina 36(7) :1285-1291, 2016
眼内異物摘出時に落下してしまった場合、網膜に障害が生じる
眼球モデルを使用しBSS, PFC, Airの組み合わせで保護ができるか実験
5つのモデルで、3つのポジションから5つの金属片を用いて合計1350回の実験を実施
Group 2~5ではすべて黄斑部へhit (成功0/500)
Group1のみ500回中417回異物を境界面ではじいて黄斑部へのhitが避けられた 93%成功
異物は最重量のEのみhit Position 1で30%、Position 3で43%のhit
異なる物質間の表面張力は air-water(BSS)間>water-(BSS)-PFC間>>air-PFC間であるが、airにおいては落下の加速がつき、物質間の境界を突破。BSS落下中に生じる摩擦抵抗でスピードが遅くなり境界面ではじかれる。
PFCはBSSよりも粘度が少ないため、PFCのみではBSSよりも加速してしまう
異物の素材、大きさ、形や境界面にhitする面の状態によっても異なるが、異物摘出手術の際、異物落下による黄斑部保護に有用である可能性(MM)
ENDOPHTHALMITIS AFTER INTRA VITREAL INJECTION
Role of Prophylactic Topical Ophthalmic Antibiotics
ALEXA L. LI, et al. (Texas, U.S.)
RETINA 36(7):1349-1356,2016
目的:硝子体注射前後での抗菌剤点眼使用有りの場合と無しの場合での眼内炎の割合を調べ、微生物学的特徴と結果を評価した。
対象と方法:2011.1.1.〜2014.12.31.の間に硝子体注射を受けた90,339眼
2011.1.1.〜2011.12.31.点眼あり、2013.1.1.〜2014.12.31.点眼無し、間は移行期間。
4%リドカイン点眼麻酔、2%リドカイン結膜下麻酔後、1%〜10%ポピドンヨード点眼し、角膜輪部から3.5mm〜4mmで注射した。ドレープ、マスクは全例ではなかった。
結果:眼内炎は全体で30眼(0.033%)、平均年齢74歳、男性12人、女性18人、有水晶体眼14眼、偽水晶体眼16眼、糖尿病有り12眼。
2011年6眼、2012年13眼、2013年7眼、2014年4眼
点眼有り 13眼、点眼無し 17眼 有意差はなかった。
マクジェンとオクリプラスミンでは眼内炎は認めなかった。
眼内炎の発生率と注射した医師に関連はなかった。
培養は16眼で陽性でコアグラーゼ陰性ブドウ球菌10眼、レンサ球菌(ストレプトコッカス・ミティス)2眼、その他。
全例、バンコマイシン硝子体注射、セフタジジム硝子体注射を受けた。
硝子体手術を受けたのは8眼だった。
最終視力は平均20/200 (20/30〜光覚無し)
レンサ球菌の2眼は最終視力が指数弁以下で悪かった。
コアグラーゼ陰性ブドウ球菌10眼のうち2眼は最終視力が指数弁以下となった。
結論:硝子体内注射の後の眼内炎のリスクは低かった。注射前後の抗菌剤点眼使用の有無で、眼内炎のリスクは変わらなかった。(CH)
Postoperative positioning in macular hole surgery. An objective evaluation of nonsupine positioning and the effect of the “Tennis Ball Technique”.
Forsaa VA et al(Norway)
Retina 36(6): 1081-1086, 2016
・黄斑円孔手術後の上向きでない姿勢(nonsupine positioning NSP)を守れたかどうかの客観的評価と、手術初日夜の上向き姿勢ができる方法を検討した。
・客観的評価には患者の額に取り付けた“Position monitoring device”を使用した。
・40例で行ったところ、NSPを守れなかった時間は平均14分47秒であったが、”Tennis Ball Techniqu(TBT)”を行ったときは4分24秒に減少した(p=0.01)。
・ことに7名のNSPを守れない患者(NSPが30分以上)で、TBTを行った場合は63分2秒から3分46秒に有意に減少した(p=0.02)。(図)(TY)
Silicone oil barrier sutures in aphakic eyes with iris defects.
Yuksel K et al(Turkey)
Retina 36(6): 1222-1226, 2016
・虹彩欠損のある無水晶体眼16眼でsilicone oil barrier sutureについて検討した。
・全例が網膜剥離手術でのシリコンオイル注入である。
・縫合はグリッド形で、硝子体手術後のシリコンオイル注入前に本来あるべき虹彩の位置に行った。
・平均12.0±6.8か月の経過観察で、シリコンオイルが前房内脱出した例は5眼31%であり、この5例は全例、低眼圧、帯状角膜症があり、眼球癆の前段階であった。
・方法はpolypropylene 10-0糸(Alcon PC-9)を使用した。全周結膜を剥がし、輪部から1mm部で、1ccシリンジにつけた27G針で迎えにいった(図)(TY)
Postoperative Positioning in Macular Hole Surgery: An Objective Evaluation of Nonsupine Positioning and the Effect of the “Tennis Ball Technique”
Forsaa VA, Krohn J (Norway)
RETINA 2016: 36(6)1081-1086
【対象と方法】MH術後患者(n=40)にうつ伏せを指示し、術後一日目・二日目の夜に「テニスボールテクニック(TBT)」または「指示のみ」をランダムに割付け(翌日はもう一方の方法)。
「position monitoring devise」を前頭部に貼付し、仰向けとなった時間を測定。
【結果】9:00PM-9:00AMにおける仰向けとなった時間;コントロール群で14分47秒、TBT群で4分24秒(P=0.001)
・うつぶせ寝を守らない患者(n=7)に絞ると、コントロール群で63分2秒、TBT群で3分46秒(P=0.02)
【結論】今回の症例群ではMH術後患者は高いレベルでうつ伏せ体位を守った。TBTはさらに有意にコンプライアンスを改善させた。(MK)
Long-term evolution of dome-shaped macula. Increased macular bulge is associated with extended macular atrophy.
Soudier G et al(France)
Retina 36(5): 944-952, 2016
・Dome-shaped Macula(DSM)29眼で6か月から111か月(平均37.89ヶ月)経過を追い、黄斑隆起の高さ、RPE萎縮の大きさ、漿液性網膜剥離の進行について検討した。
・DSMは黄斑下の強膜厚が変らないのに傍中心窩の強膜が薄くなっていくことによると考えられている。
・視力はlogMAR0.45±0.43(小数点0.35)→0.56±0.47(小数点0.27)と有意差はなかったが(P>0.005)、黄斑隆起は338.9μから364.3μになり、平均+25.4±54.07μ増加(p=0.007)。
・漿液性網膜剥離は最初は15/29眼で見られたが、4眼で増加、7眼で自然消退した。
・黄斑部RPE萎縮は1.12から1.34乳頭面積に、平均+0.22±0.41DA増加し(p=0.04)、黄斑隆起の高さと相関していた(p=0.015)。(TY)
Incidence and relation with anatomical and functional variables of postoperative macular displacement in rhegmatogenous retinal detachment.
Cobos E et al(Spain)
Retina 36(5): 957-961, 2016
・網膜剥離に対して硝子体手術(ガス注入)を行った20例で術後の黄斑移動と黄斑機能について検討した。
・黄斑移動は術後3か月目の自発蛍光で判定し、黄斑機能はOCT、多局所ERG、視力、両眼視で判定した。
・60%で黄斑移動がみられたが、移動量と両眼視や視力との関連はなかったし、多局所ERGとの関連もなかった。(TY)
Subfoveal Choroidal Thickness in Papillitis Type of Vogt–Koyanagi–Harada Disease and Idiopathic Optic Neuritis
Maruko I, Iida T, et al. (女子医大)
RETINA 2016: 36(5)992-999
・Vogt-小柳-原田病(VKH)乳頭炎型7例11眼と特発性視神経炎(ON)8例11眼、SD-OCTのenhanced-depth imageでステロイド治療前と治療後1M後の中心窩下脈絡膜厚を測定
・治療前の脈絡膜厚;乳頭炎型VKHは特発性ONより有意に厚かった(527±119μm vs. 321±86μm, P<0.01)
・治療後1Mの脈絡膜厚;乳頭炎型VKHは有意に減少、特発性ONは有意差なし
【結論】乳頭炎型VKHはしばしば特発性ONと誤診されるが、治療前の脈絡膜厚と治療後の変化は診断・治療の助けになる(MK)