The scleral rigidity of eyes with different refractions.
Sergienko NM et al(Ukraine)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 250(7): 1009-12, 2012
・近視眼での後部強膜の脆弱性が、眼軸長延長に影響しているかどうかを検討した。
・平均年齢20.6歳(18-28歳)の86例172眼で、30gの錘を角膜に載せる前後で眼軸長を測定し、眼圧上昇による眼軸長の変化を調べた。
・眼圧上昇時の眼軸長の伸びは、遠視(圧迫前眼軸長22.13±0.02mm、伸び0.03±0.01mm)、正視(AL23.36±0.01、伸0.05±0.01)、近視0.23-3.0D(AL24.17±0.07、伸0.18±0.07)、近視3.25-6.0D(AL25.04±0.1、伸0.31±0.02)、近視6.25-12.0D(AL26.13±0.07、伸0.38±0.07)、近視>12.0D(AL29.48±0.09、伸0.51±0.09)であった。
・近視が強くなる程、眼軸長の伸びが大きかった。
Restoration of the photoreceptor layer and improvement of visual acuity in successfully treated optic disc pit maculopathy: a long follow-up study by optical coherence tomography.
Theodossiadis GP et al(Greece)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 250(7): 971-9, 2012
・Optic disc pit(ODP)手術が成功した14例14眼について、OCTでの視細胞層の変化と最高視力(BCVA)について検討した。
・手術方法は黄斑部のスポンジでのバックルが10例、硝子体手術(視神経乳頭縁への光凝固+C3F8ガス注入)が4例であった。
・網膜下液が完全に吸収された後の経過観察期間は36-95ヶ月(57.4±18.3ヶ月)である。IS/OSラインの回復は、殆どの例では下液吸収直後にはみられず、下液吸収後の6ヶ月から12ヶ月の間に始まり、24か月まで続いた。
・BCVAは治療前は0.99±0.38 logMAR(小数点0.10)、下液吸収直後は0.81±0.26 logMAR(0.15)、24ヶ月後は0.61±0.33 logMAR(0.25)であり、このBCVAは経過観察中のIS/OSラインの完全化と正の相関があった(r=0.775 p<0.001)。
・最終の視細胞層状態と、下液吸収直後のBCVAが、最終BCVAを予測する最大の要因であった。
Macular microcirculation in patients with epiretinal membrane before and after surgery.
Yagi T et al(東京女子大)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 250(6): 931-4, 2012
・中心窩周囲の毛細血管の血流速度blood flow velocity(BFV)が、黄斑前膜ERMの手術前後で変化するかどうかを、21眼のERM患者と、16眼の健常者とで検討した。
・BFVはSLOで測定し、中心窩厚FTはOCTで測定した。
・BFVはERM患者では健常者より有意に遅かった(1.04±0.10:1.49±0.11mm/s p=0.001)。
・ERM手術後には有意に増加した(前:1.04±0.10→6M後:1.21±0.02 p=0.006→12M後:1.38±0.02mm/s p=0.0235)。
・FTは6ヶ月後までは有意に薄くなったが、12ヶ月後と6ヶ月後との間には有意差がなかった(前:351.7±87.1→6M後:285.3±36.9→12M後:288.8±25.4μm)。
The clinical efficacy of a topical dorzolamide in the management of cystoid macular edema in patients with retinitis pigmentosa.
Ikeda Y et al(九州大)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 250(6): 809-14, 2012
・網膜色素変性症の10-40%の症例に併発する黄斑浮腫に対し、dorzolamideの効果があるかどうかを、9例17眼のRPに伴ったCME患者(44.8歳:20-60歳)で検討した。
・全例で1% dorzolamideを1日3回点眼し、1,3,6ヶ月後の経過を調べた。
・OCT上、16眼中13眼(81.3%)でCMEが改善した(BL:446.6±104.7→6ヶ月後:351.1±96.1μm)。
・そのうち8眼ではCMDはほぼ完全に消失した。
・黄斑部の感度は、9眼(56.3%)で1.0dB以上改善し、5眼(33.3%)では2.0dB以上改善したが、矯正視力の有意な改善はみられなかった。
Resolution of photoreceptor outer segment damage in a patient with unilateral acute idiopathic maculopathy observed using spectral-domain optical coherence tomography.
Matsushita E et al(高知医大)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 250(5): 765-8, 2012
・風邪症候群の後で急激に片眼性の中心視力が低下する「片眼性急性特発性網膜症 Unilateral acute idiopathic maculopathy UAIM)」は、滲出性の黄斑剥離を伴い発症し、自然に軽快するとともに視力も改善する病態であるが、原因は不明である。
・今回、28歳のUAIMで視力が手動弁まで低下し、OCTでIS/OSラインの消失がみられた。
・プレドニゾロン6mg/日開始から、漸減し、3ヶ月間使用。
・Coxackievirus A16, Echovirus 30抗体が上昇していた。
・3週間後、視力は0.5に回復、IS/OSは消失のまま。
・7週間後、視力は1.0、IS/OSは傍中心窩に出現。
・3ヶ月後、IS/OSは不規則ながら中心窩にも出現。
・4ヶ月後にはIS/OSはほぼ正常に戻った
Colored perfluorocarbon liquids as novel intraoperative tools.
Rizzo S et al(Italy)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 250(5): 653-9, 2012
・Perfluorocarbon液(PFCLs)が着色していたら、使いやすいと考えられる。
・Perfluorohexyloctan(F6H8)に青い生体適合性のあるアントラキノン色素を混ぜ、perfluorodecalin(PFD)あるいは perfluorooctane(PFO)と混合し、摘出した豚眼で、BSSあるいはシリコンオイルとの置換をやってみた。
・ただ、シリコンオイルと接触していると、5分ほどでPFCLからの色素がシリコンオイルに入って行くのが観察でき、接触時間は短い方がよいと考えられた。
Retinal sensitivity after resolution of the macular edema associated with retinal vein occlusion.
Ota M et al(京大)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 250(5): 635-44, 2012
・RVOに伴った黄斑浮腫が軽快後の網膜感度を24眼で、Micro Perimeter1(MP1)を用いて測定した。
・また、同時に、視細胞層の状態をIS/OS lineが検出できるかどうかで判定した。
・障害部位での平均網膜感度は有意に低下しており(p<0.001)、また、障害部位内でIS/OSが検出されなかった部位では、IS/OSが健在である部位に比較して、有意に感度が低下していた(3.8±4.8dB:10.0±6.4dB, p<0.001)。
・FAGで無血管野の部位では、他の部位に比較し平均網膜感度は有意に低かった(j0.3±1.3dB:10.9±5.9dB, p<0.001)。
・中心窩毛細血管リング(FCR)が障害されている場合には、FCRが正常の眼に比して、黄斑部の網膜感度は有意に低く(10.9±6.5dB:13.7±4.9dB, p<0.001)、黄斑浮腫消褪後のlogMARも低下していた(0.15±0.12 小数点0.71:0.04±0.21 小数点0.91, p=0.055)。
Adverse events associated with intraocular injections of bevacizumab in eyes with neovascular glaucoma.
Higashide T et al(金沢大)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 250(4): 603-10, 2012
・70例84眼(63.5±13.3歳)のbevacizumabの初回硝子体内注射を受けた新生血管緑内障について検討した。
・基礎疾患は増殖性DMRが58眼(69%)、CRVOが17眼(20%)、眼虚血症候群4眼(5%)、CRAOが3眼(4%)、BRVOが1眼(1%)、放射線網膜症が1眼(1%)であり、合計で116回の注射(1.4±0.8回/眼)が行われた。
・この内、2例2眼(2%)に注射後3日から4日目にCRAOを発症した。
・この2眼はいずれも眼虚血症候群に対するbevacizumab注射であり、1眼は前房内注射であった。
・この検討では、注射後3カ月経過をみているが、その他の合併症はなかった
Microbiological findings and predisposing risk factors in corneal ulcers.
Prokosch V et al(Germany)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 250(3): 369-74, 2012
・細菌性角膜炎346例(5-105歳 median=64歳)のうち、43%(148/346)で計199菌が検出された。
・多い順に、G+黄色ブ菌63(32%)、G+表皮ブ菌30(15%)、G-緑膿菌15(8%)であり、患者の状態で多い順は、糖尿病、CL使用者、皮膚や眼瞼異常のある人、外傷であった。
・薬剤耐性は低い順にクロラムフェニコール(0%)、フシジン酸(12% フシジンレオ軟膏)、シプロフロキサシン(22% シプロキサン)、トブラマイシン(23%)、レボフロキサシン(24%)であった。
Develoment of a surgical approach for a wide-view suprachoroidal retinal prosthesis: evaluation of implantation trauma.
Villalobos J et al(Australia)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 250(3): 399-407, 2012
・人工眼開発の我々の目的は安全で再現性のある広範囲に渡って網膜を刺激する電極配列を眼内に埋め込むことである。
・今回、8x13x0.4mmの72個のプラチナ電極を持った電極を作成し猫の9眼に埋め込んだ。
・10眼目は大出血の為、中止した。強膜を輪部から5ミリで切開し、中心窩網膜上の上脈絡膜腔に埋め込んだ。
・2眼で大出血があり、網膜皺襞も発生した。
・切開部に6眼で脈絡膜陥頓が発生したが、網膜、脈絡膜などに穿孔した例はなかった。
・組織を調べると、網膜剥離が1例、硝子体出血が5例、前房出血が7例あったが、網膜刺激電極として、可能性はある。
Three dimensional spectral domain optical coherence tomography features of retinal-choroidal anastomosis.
Querques G et al(France)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 250(2): 165-73, 2012
・網膜-脈絡膜血管吻合(RCA)についての、3次元SD-OCT画像と従来の血管撮影との比較を行い、網膜やRPEのマップが作成できる3D SD-OCTのB-scan、3D網膜マップの診断能力を、18例18眼(年齢79.5±19.4歳)で検討した。
・血管撮影で局所的な染色のあった3例では、3D OCTでは網膜内層表面の軽度の突出とRPEの半球状の膨隆が、初期RCA所見としてみられた。
・血管撮影でPEDのない”hot spot”のみられた7例では、網膜内層表面の突出と急峻な縁を持ったRPEのしっかり分離された。
・PEDのある”hot spot”の8例では、網膜内層表面の突出と先端にピークを持ったRPEの突出が見れらた。
・3D OCTでは、病態の進展により異なった病態を示しており、RCAの診断で血管撮影を補完するものと評価できる
Astaxanthin increase choroidal blood flow velocity.
Saito M et al(北大)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 250(2): 239-45, 2012
・Astaxanthin(AXT)は抗酸化、抗炎症作用、血流速度を早める効果を持っている。
・AXTは鮭やイクラ、エビやカニなど、赤い色素が外見的にも特徴的な魚介類に多く含まれており、高い抗酸化作用を持ち、紫外線や脂質過酸化反応から生体を防御する因子として働いている。
・光障害から目を保護するとも言われており、サプリメントとして販売されている。
・また、調節力改善、眼精疲労改善にも有効である。
・Laser speckle flowgraph(LSFG)を利用して、AXTを1日12mg、4週間連続摂取した時の脈絡膜血流速度を測定した。
・正常ボランティア20名(AXT群10名38.2±11.7歳、プラセボー群10名38.8±6.8歳、いずれも体重は54±7Kg)で、摂取前、摂取2週後、4週間後で、血流速度の定量的な指標であるLSFGの square blur rate(SBR)値を測定した。
・AXT群では4週間後に黄斑部のSBR値は有意に増加していた(p=0.018)が、プラセボー群では有意はなかった(p=0.598)。
・AXTの4週以上の摂取は、副作用がなく、脈絡膜血流速度を増加させることができた。
Astigmatism and optical coherence tomography measurements.
Hwang YH et al(Korea)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 250(2): 247-54, 2012
・Cirrus HD SD-OCTでのRNFL厚測定に乱視が影響するかどうかを検討した。
・30例の若い正常者に直乱視WTR、倒乱視ATRの -3.25DのトーリックSCLを装着して測定した。
・乱視度は実測値でWTRでは2.92D、ATRでは3.18Dであった。
・WTRでのRNFL厚は、平均、上方、12時、6時で1.58~6.88μm減少し、ATRでのRNFL厚は、平均、鼻側、耳側、2,3,9時で0.75~5.11μm減少していた(全てp<0.05)が、黄斑部厚は乱視に影響されなかった(p>0.250)。
Outcomes of different management options for malignant glaucoma: a retrospective study.
Debrouwere V et al(Belgium)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 250(1): 131-41, 2012
・21例24眼の悪性緑内障につき、9眼は薬物治療を行った。
・21眼は手術となり、そのうち15眼は全硝子体切除-(PEA)を行い、硝子体カッターで、硝子体側から10-2時の位置で、チン氏帯と虹彩を切除した。
・再発率は薬物治療では100%、YAG後嚢切開+前硝子体膜切開では75%、通常の硝子体手術では75%、前部硝子体切除+虹彩チン氏帯切除では66%であったが、全硝子体切除+虹彩チン氏帯切除+(PEA)では再発例はなかった。
・この方法では平均61日間の経過観察期間中の眼圧は10-22(mean 16)mmHgであった。
・Aqueous misdirection syndrome治療には、この全硝子体切除+虹彩チン氏帯切除+(PEA)が最も良い方法であった
25-, 23-, and 20-gauge vitrectomy in epiretinal membrane surgery: a comparative study of 553 cases.
Sandali O et al(France)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(12): 1811-9, 2011
・553例の黄斑上膜剥離手術に25G(347例), 23G(91例), 20G(115例)硝子体システムを使用し、安全性などを検討した。
・手術時間は23G,25G群で20G群より有意に短かった(p<0.001)。
・術8日目の視力改善は25G群で20G,23G群より有意に良かったが(p=0.035)、6週間目には有意差はなくなっていた(p=0.186)。
・術翌朝の眼圧は20G群で有意に高く(15.25±3.04→16.22±5.62 p<0.001)、23G群では低くなっていたが(15.93±3.15→15.15±4.68 p=0.073)、25G群では有意な変化はなかった(15.55±2.58→15.36±4.73 p=0.807)。
・網膜裂孔の発生は、PVD作成群では20G=20/163(12.4%), 23G=6/43(14.3%), 25G=2/38(5.3%)、非作成群では20G=9/185(4.9%), 23G=1/73(1.4%), 25G=0/53(0%)であり、PVD作成が有意に裂孔発生に関連があったが、術中の合併症発生率に関しては有意差はなかった。
・総合的に判断すると、25G、23G手術が有利である。
Retinal vascular occlusion after vitrectomy with retrobulbar anesthesia- observational case series and survey of literature.
Tappeiner C et al(Switzerland)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(12): 1831-5, 2011
・球後麻酔を行った網膜硝子体手術後に網膜動脈閉塞症を発症した6例を報告する。
・網膜中心動脈閉塞は3ヶ月以内に3例、網膜動脈分枝閉塞は2-14日後に3例発症した。
・麻酔には防腐剤としてmethyl-, propyl-parahydroxybenzoateを含んでいる1%mepivacaineを使用した。
・パラオキシ安息香酸エステルを総称してパラベンと呼称されており、主に飲料向けの防腐剤として使用されているが、食品・医薬品あるいは化粧品の防腐剤としても使用されている
・麻酔注射液のキシロカイン注射液はクロロブタノール含有であるが、マーカイン注射液はメチルパラベン、プロピルパラベンを含有している
・この内3例は、3-12ヶ月の間隔で行われた2回目の網膜硝子体手術後に発生しており、何らかの長期的な蓄積効果が疑われる。
・防腐剤なしのmepivacaine使用例では血管閉塞症の発生はなく、防腐剤が血管閉塞に影響を与えた可能性がある。
Retinal blood flow velocity measured by retinal function imaging in retinitis pigmentosa.
Beutelspacher SC et al(Israel)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(12): 1855-8, 2011
・5例5眼の網膜色素変性症RP(55.7±8.6歳)と年齢をマッチさせた健康人で後極部網膜の血管流速を測定した。年齢で補正すると、健康人:RPでは、網膜静脈は3.0(2.8-3.3):1.6(1.3-1.9)、網膜動脈は4.2(3.7-4.8):2.3(1.7-2.8)cm/sであり、いずれも有意にRPでスピードが遅かった
Relationship between retinal nerve fiber layer thickness and driving ability in patients with human immunodeficiency virus infection.
Cheng S et al(CA USA)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(11): 1643-7, 2011
・22例のHIV陽性者と、年齢をマッチさせた16例のHIV陰性者で、網膜神経線維層厚を測定し、広い視野の模擬運転装置を用いた運転能力を測定した。
・模擬運転装置では約20分間、10.2マイルを運転し、交通法規を守っているか、衝突を避けうるか、追い抜き能力、スピード違反や、車線が守れるかなどを運転ミスとしてスコア化した。
・HIV陽性者ではコントロールに比して有意に運転エラースコアが高かった(18.4±9.2:11.1±4.5 p=0.0006)。
・RNFL厚は運転エラースコアと有意に相関していた(r=-0.51 p=0.025)。
・ヘルパーT細胞の膜表面にある抗原であるCD4数は、HIV感染症では減ってくるが、このCD4値が100未満の場合は、100以上の人に比べ有意にエラースコアが大きかった(29.7±13.2 vs 19.3±8.4 p=0.056)。
・また、エラースコアが最大の群はCD4が100未満で、RNFL厚が80μm未満のHIV陽性者であった。
・RNFL厚が薄くなる程、運転能力は低下傾向があり、HIV感染者では眼科的な機能低下があることに注意すべきである。
A new rebound tonometer for home monitoring of intraocular pressure.
Rosentreter A et al(Germany)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(11): 1713-9, 2011
・緑内障患者が自分で眼圧を測定できるように新規に開発されたIcare ONE rebound眼圧計(RTONE)とゴールドマン圧平眼圧計(GAT)との比較を緑内障でない患者52名と緑内障患者74名の右眼で検討した。
・この内、95名では、RTONEで自分自身で眼圧を測定して貰い(RTONE[p])、眼科医のRTONEで測定した眼圧と比較した(RTONE[o])。
・平均眼圧はRTONE[o]は17.1±5.9、RTONE[p]は17.3±5.6、GATは16.5±5.1であり、相関係数はRTONE[o]とRTONE[p]はρ=0.916、RTONE[o]とGATはρ=0.901で有意な相関があった。
・差と95%範囲は、RTONE[o]-RTONE[p]=-0.2(-5.0~4.5)、RTONE[o]-GAT=0.6(-4.4~5.6)、RTONE[p]-GAT=0.8(-4.6~6.1)であった。
・RTONE[o]とGATの差は、CCTの増加に伴って増えており(p=0.004)、CCTの10%増加はRTONE[o]とGATの差の1.8%の増加となっていた。
・RTONEは自己測定でも十分に信頼できるが、GATに比較して眼圧が高めになる傾向があり、CCTに影響を受けていた。
Resolution of toral reteinal detachment in Coat’s disease with intravitreal injection of bevacizumab.
Zhao T et al(China)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(11): 1745-6, 2011
・2年前から左眼内斜視が発生した3歳の男児で、網膜全剥離を来たしているstage3Bのコーツ病患者に、bevacizumab(1.25mg/0.05ml)を6週おきに3回硝子体注入を行った。
・最後の注入15週間後には網膜剥離はほぼ消褪し、視力も20/125に上昇した。
・その時点では網膜剥離の再発はない