Performance of the Visual Field Index in Glaucoma Patients With Moderately Advanced Visual Field Loss
Jun Mo Lee et al (CA USA)
Am J of Ophthalmol 157(1):39-43, 2014
MD値が-16dB~-24dBの範囲で変化した患者の連続視野でVFIとMD値の関係を調べる
-20dBをまたぐ際に計算式が変化する際の影響を調査する
148症例で-20dB付近の1286視野を調べ2群に分けた
A:-20dBよりも常によい、あるいは常に悪い連続視野
B:-20dBをまたぐ連続視野
MDの変化量(ΔMD)とVFIの変化量(ΔVFI)を計算
ΔVFI A:4.17% B:15.8% (P<.001)
ΔVFI/ΔMD A: 6.8%/dB B: 7.9%/dB (P=.042)
MDが-20dBより悪化すると、パターン偏差を用いた計算式からトータル偏差を用いた計算式に変更となるため、その場合のVFIは臨床で用いるには問題がある(MM)
Parallelism as a Novel Marker for Structural Integrity of Retinal Layers in Optical Coherence Tomographic Images in Eyes With Epiretinal Membrane
Akihito Uji et al (Japan)
Am J of Ophthalmol 157(1): 227-236, 2014
57例のERM患者と30例の正常者のOCTを撮影
スケルトン化して、隣接するピクセルを0,45,90,135度の4つの角度に分けて、その数をソフトウェアを用いてカウントして、以下のParallelism(0-1の数値)を算出
視力とゆがみとの相関を見た
Parallelism =(|n0-n90|)+(|n45-n135|)/(n0+n45+n90+n135) (MM)
Diagnostic Fundus Autofluorescence Patterns in Achromatopsia
Abigail T Fahim et al (Michigan, USA)
Amer J Ophthalmol 156(6): 1211-1218, 2013
・1色覚:常染色体劣性遺伝の錐体異常 幼小児期より色覚異常、視力低下、羞明、眼振、ERGにて錐体機能の減弱あるいは消失
・10例の1色覚患者の矯正視力、眼底所見、ゴールドマン視野、full-field ERG、OCT、FAFを測定した
・4例のCNGA3 mutation患者と6例のCNGB3 mutation患者にERG,OCT,FAFを測定
・同一患者で進行する状態も測定
・視力:CNGA3患者 20/125~20/400, CNGB3患者 20/100~20/300 P-D-15は主にscotopic axisだが様々なパターンがあり、患者A1ではほぼ正常であった。共通所見は黄斑部の委縮、黄斑顆粒、網膜血管の狭細化であった。ffERGは全例非常に減弱 CNGA3 mutation患者はnonrecordableであった。患者B6ではわずかに検出できたb波が5年後にはNRとなった 患者B3は減弱したa波、b波が6年でNRとなった
・FAF:年齢が若い患者B1とA2では中心窩過蛍光がみられ、患者B2とB3では中心窩および傍中心窩の過蛍光(中心窩は傍中心窩と比べて弱い) 7カ月の子供では中心窩・傍中心窩過蛍光を認めた
・FAFの所見は年齢とOCTでの萎縮の進行と相関し、年齢が高い群のFAFでは中心窩はパンチアウト状に不連続な低蛍光となり、OCTのfoveal cavitationの範囲と一致した
・同一患者で13歳、16歳、18歳時に撮影したOCTを比較してcavitationの進行を確認
・FAFで傍中心窩のリング状の過蛍光は多くの錐体ジストロフィーや錐体杆体の変性で認めるが、パンチアウト状の不連続な低蛍光は異なる。
・中心窩過蛍光はtypeⅡ macular telangiectasiasでも報告されているが発症年齢が遅く、眼底所見が異なり鑑別診断には挙がらない。
・シャープに断裂したパンチアウト状の低蛍光とその周りの過蛍光とOCTで網膜外層の空洞化が特徴的パターンと考えられる。
・CNGA3またはCNGB3 mutationによって視細胞の細胞質に異常たんぱくが蓄積し、それらが細胞タンパク分解経路を傷害、リポフスチンの蓄積をきたし自発蛍光が増加すると考えられる。
(過蛍光=RPEのリポフスチン>黄斑部のルテインやゼアキサンチンといった色素)
・OCTでの以上の前に中心窩過蛍光をとらえたことは、将来の遺伝子治療において早期治療につながる可能性がある(MM)
Evaluating the Accuracy of the Visual Field Index for the Humphrey Visual Field Analyzer in Patients with Mild to Moderate Glaucoma
Renee Talbot et al (Australia)
Am J Ophthalmol 156(6):1272-1276, 2013
・834のカルテのうち、MD-20dB以上、連続11年以上毎年SITA30-2または24-2を行った患者をレビュー 42名61眼を対象とした
・初期の5年間をベースラインとした予測を、後半5年間の実測値と比較した。
・固視不良≧20%、FP≧15%、FN≧33%は信頼できない検査として除外 22眼
・VFIの計算式は非公開のため、1mm=1%となるようにヒストグラムを拡大して2回測定した。
・信頼できない検査の影響を見るため、除外したデータを再度含めて、信頼できる検査結果のみ(61眼)のデータと比較した
・レーザー線維柱帯形成術<LTP>(ALTorSLT)、レクトミーを行った患者も調査した
・病型はOHT 8人、 CACG 6人、 Secondary OAG 5人、NTG 1人、他POAG
・全体でみると予測と実測の差は1.37%予測が悪かった(Overestimated)
・信頼できない検査を入れた計算結果では0.09%違うのみであった。P=0.71
・14例はLTPを10例はレクトミーを受け、4例はどちらも受けていた。この場合予測よりも実測の方が良いことが予想されるが、LTPを受けた群と受けていない群での予測の正確性の平均誤差は0.12%で差がなかった。手術治療を受けた群と受けていない群での差は4.52%と有意差があった(手術群の方が予測値よりも高いVFIであった)
・VFIが90%以上の群では90%より低い群と比べて、予測が高精度であった
(range 9.7% vs 34.3%)
・VFI:PSDの値をもとに中心視野に加重して計算を出しているが、MDが-20dBより悪いものについてはMDの値を採用している。 今回は対象が-20dB以上なので、PSDのみ
・進行した緑内障では予測精度が悪い
・検査の信頼度が低くても予測の値に影響がなかったが、今回は1患者1回のみ(多くても前半5年1回と後半5年の1回の合計2回のみ)であった。
・緑内障における視野障害進行はVFIモデルのように直線回帰できるものではなく、もっと複雑な回帰曲線があるかもしれないが、現在のところ完全な予測方法はなく、患者のadherenceや通院状況、検査の出来など複雑な要因があり、標準化できるものではない。しかしVFIが90%以上の患者においては、現状の把握と経年変化を把握するのに有用なツールと考えられる。(MM)
Clinical results of ab interno trabeculotomy using the trabectome for open-angle glaucoma: the Mayo Clinic series in Rochester, Minnesota.
Ahuja A et al(MN USA)
Amer J Ophthalmol 156(5): 927-935, 2013
・OAGに対するトラベクトーム(ab interno trabeculotomy) の効果を2006.9ー2010.12に手術を行い、3ヶ月以上経過観察を行えた246例(トラベクトームのみの88例と、白内障同時手術の158例)で調査した。
・生命表分析でA区分(術後IOPが21以下 or 20%以上の眼圧低下を得た)、B区分(術後IOPが18以下+20%以上の眼圧低下を得た)、失敗(緑内障薬が増加か再手術が必要)とした。
・術前眼圧はトラベクトームのみは25.9±8.9mmHG、同時手術例は19.3±7.4であり、トラベクトームのみ群では、生命表解析で1年後と2年後の生存率はA区分では38.4%と36.2%、B区分では22.0%と20.0%、同時手術群ではA区分では77.4%と75.2%、B区分では31.9%と22.9%となった。
・再手術例は66例(26.8%)で、手術までの期間は平均10ヶ月(2日から3.2年)であった。
・目標眼圧を18mmHg以下にした場合、2年後の生存率は低くなるため、この手術は目標眼圧が21mmHgかそれ以上の場合に行うのが良い。(TY)
Accomodative Tone in Children Under General Anesthesia
Salchow DJ, et al.(Germany)
Am J Ophthalmol 156(5): 1034–1039, 2013
【目的】小児の調節緊張度に対する全身麻酔の影響を明らかにする
【対象と方法】全身麻酔を受ける予定の小児41例(0.8-11歳、平均3.7歳)。事前に外来で調節麻痺剤(シクロペントレート&トロピカミド)の点眼下に線状検影器を用いて調節麻痺下の屈折度を測定。その6か月以内に全身麻酔下で調節麻痺剤の点眼をしないで同様に屈折度を測定。
【結果】全身麻酔下でのレチノスコピーの屈折度は、調節麻酔剤の点眼下の屈折度よりも球面度数・等価球面度数ともに近視寄りの値を示した(ともにP<0.0001)。
乱視度数とその軸は良い整合性が得られた。
全身麻酔下と調節麻痺剤点眼下での差異の平均;球面度数で-0.98D(95%CI: -3.08D~+1.10D)、乱視度数で0.08D(95%CI: -0.67D~+0.82D)、等価球面度数で-0.94D(95%CI: -3.01D~+1.13D)
両測定値の差が1D以内に収まる割合;球面度数で25例(61%)、乱視度数はすべて、等価球面度数で28例(68.3%)であった。
【結論】全身麻酔で小児の調節緊張は減少するが、調節麻痺剤点眼下のそれと比べるとまだ有意差が残る。正確な屈折度数の測定が必要な場合は、全身麻酔下でも調節麻痺剤の併用が必要である。(MK)
Focal choroidal excavation in eyes with central serous chorioretinopathy.
Ellabban AA et al(京大)
Amer J Ophthalmol 156(4): 673-683, 2013
・116例の中心性網脈絡膜症CSCをOCTで調査し、9眼(7.8%)に限局性脈絡膜窩focal choroidal excavationが認められた。
・この内、5眼では異常な脈絡膜組織が脈絡膜窩の下にみられ、脈絡膜窩と脈絡膜の強膜側を繋いでいた。
・この5眼中3眼では、脈絡膜窩の下に上脈絡膜腔(強膜側)がみられ、あたかも、脈絡膜の外層がこの異常組織によって網膜側に引っ張られた様相を示していた。
・また、限局性脈絡膜窩は脈絡膜過蛍光を示す部位の中にみられた。
・限局性脈絡膜窩のある眼は、ない眼より近視気味であり、(-4.42±2.92D:-0.27±1.80D p=0.001)、中心窩の脈絡膜厚は有意に薄かった(301.3±60.1:376.6±104.8μm p=0.036)。
・これらのことから、この異常組織は脈絡膜結合織の限局性の瘢痕である可能性があると考えた(図)。(TY)
Choroidal thickness changes after intravitreal ranibizumab and photodynamic therapy in recurrent polypoidal choroidal vasculopathy.
Maruko I et al(福島医大)
Amer J Ophthalmol 156(3): 548-556, 2013
・27例27眼のPCVに対し、硝子体内ranibizumab注入とPDT治療の併用療法(PDT治療の1-2日前に0.5mg/0.05mlを注入)を行い、その後の中心窩下脈絡膜厚CTについて検討した。
・27例全例で3ヶ月以内にPCVは減退したが、10/27眼(37.0%)で3カ月以降に再治療が必要であった。
・再発例ではCTは、治療前の188±114μmが、3ヶ月後に157±93μmに減少したが(p<0.01)、再発後に179±94μmに増加した(治療前との比較p=0.54 平均8.0ヶ月)。
・非再発例では治療前の257±104μmが210±94μm(3ヶ月後 p<0.01)、212±106μm(1年後 p<0.01)と減少した。
・PDT後の脈絡膜厚はPCVの活動性を反映してるだろう(図)(TY)
Incidence and progression of epiretinal membranes in eyes after cataract surgery.
Fong CSU et al(Australia)
Amer J Ophthalmol 156(2): 312-318, 2013
・64歳以上の1932名の白内障手術患者で、超音波乳化吸引術後3年以内のERMの発生頻度を調査した。
・術眼は術前と術後1ヶ月、1年、2年、3年後の眼底カメラ画像でERMを判定した。
・ERMは初期像:セロファン反射、後期像は網膜前繊維増殖、網膜皺襞とした。
・ERMの判定は、発現:術前なかったものが発生、進展:初期像あるいは後期像の面積が25%を超えて増加、軽快:1)面積が25%減少、2)ERM消失、3)網膜前繊維増殖がセロファン反射に減退したものとした。
・発生率はBlue Mountains Eye Study(BMES)の5年間での発生率と比較した。
・術前と術後1ヶ月でデータの揃った1040眼では、ERMは術前で32眼(3.1%)、術後1ヶ月で154眼(14.8%)であった。
・この154眼のうち、134眼(87.0%)は術前にERMはなかった。
・術後1ヶ月目にERMがなかった1119眼で、ERM発生率は1年後5.0%(95%CI=3.9-6.5)、2年後9.0%(7.5-10.9)、3年後11.2%(9.4-13.4)であった。
・3年後の内訳は、セロファン反射7.0%(5.6-8.8)、網膜前繊維増殖4.4%(3.3-5.9)であった。
・年齢を合わせた検討では、手術群の3年目のERM発生率は12.1%(8.6-16.9)で、BMESの5年目の発生率4.4%(3.0-6.0)よりも高かった。(TY)
Outcomes of outpatient fluid-gas exchange for open macular hole after vitrectomy.
Rao X et al(Taiwan)
Amer J Ophthalmol 156(2): 326-333, 2013
・黄斑円孔硝子体手術後に円孔閉鎖が得られなかった36例に対する外来での液ガス置換について検討した。
・ガスは15%C3F8か、20%SF6を使用した。
・初回手術ではILM剥離は全例施行し、2回目のガス置換は27G針で4-8ml注入し、25G針で液排除を行い、全置換を行った。
・液ガス置換後、1-3週間で32眼(89%)では解剖学的に成功した(22眼でtype1閉鎖、10眼でtype2閉鎖、4眼で非閉鎖)。
・Type1閉鎖:組織欠損なく閉鎖。
・Type2閉鎖:円孔縁平坦でサイズ減少し組織欠損があるが閉鎖しているもの。
・BCVA(logMAR)はtype1では1.66±0.41→0.84±0.41(p<0.001)、type2では1.77±0.41→1.52±0.41(p=0.05)であった。
・液ガス置換後も非閉鎖であったものは全例、初回手術前にStageⅣの円孔で、円孔径が1000μmを越えたものだった。
・液ガス置換後に網膜剥離が2例に発生したが、手術により復位した。(TY)
ing:1<�;s� P� nguage: EN-US;mso-fareast-language:JA;mso-bidi-language:AR-SA’>年後11.2%(9.4-13.4)であった。
・3年後の内訳は、セロファン反射7.0%(5.6-8.8)、網膜前繊維増殖4.4%(3.3-5.9)であった。
・年齢を合わせた検討では、手術群の3年目のERM発生率は12.1%(8.6-16.9)で、BMESの5年目の発生率4.4%(3.0-6.0)よりも高かった。(TY)
Aflibercept therapy for exudative age-related macular degeneratinop resistant to bevacizumab and ranibizumab.
Bakall B et al(IA USA)
Amer J Ophthalmol 156(1): 15-22, 2013
・Ranibizumabあるいはbevacizumabに抵抗性のある滲出性AMDで、脈絡膜新生血管のある患者31名36眼(平均年齢79歳 60-88歳)に対し、aflibercept(アイリア)注射を最低3回、毎月投与した。
・それまでのRanあるいはBevの投与回数は6-74回であった。
・Aflの3回の投与後、網膜下あるいは網膜内滲出液は18/36(50.0%)で減少し、15/36(41.7%)で不変、3/36(8.3%)で悪化した。
・中心網膜厚は65μm減少(p<0.001)したが、視力には有意な変化はなかった。
・BevあるいはRanに抵抗性のある患者でAfl治療は有効であろう(TY)
Short-term outcomes of aflibercept for neovascular age-related macular degeneration in eyes previously treated with other vascular endothelial growth factor inhibitors.
Ho VY et al(GA USA)
Amer J Ophthalmol 156(1): 23-28, 2013
・以前にbevacizumab, ranibizumab あるいは両者で治療を受けていたAMD患者85例96眼に対し、毎月3ヶ月間aflibercept治療を行い、その2ヶ月以内に4回目の注射を行った患者の経過をみた。
・Baselineでは82/96(85%)では平均17回の抗VEGF注射を受けても活動性の滲出がみられたが、4±1ヶ月後には82/96(85%)で視力が1ライン以内に落ち着いており、7/96(7%)で2ライン以上改善、7/96(7%)で2ライン以上低下した。
・平均中心窩厚は-18μm(-242~+198μm)減少(p=0.06)、平均黄斑容積は-0.27mm3(95%CI=-0.4~-0.1 p=0.04)減少した。
・定性的な解析では4/96(5%)で完全緩解、40/96(49%)で部分緩解、26/96(32%)で不変、12/96(14%)で悪化した。Afl治療は有効であった。(TY)
Conversion to aflibercept for chronic refractory or recurrent neovascular age-related macular degeneration.
Yonekawa Y et al(MA USA)
Amer J Ophthalmol 156(1): 29-35, 2013
・94例102眼の、Bevacizumabあるいはranibizumab治療に抵抗性(毎月注射しても滲出が残る68眼)あるいは再発性(滲出は減るが頻回注射が必要な34眼)の新生血管AMDに対し、afliberceptに変更した症例について検討した。
・BevあるいはRanは平均20.4回注射されており、Aflは平均3.8回注射し、平均経過観察期間は18週である。
・視力変化は有意差がなかったが、抵抗性群ではCMTはAflを1回注射後も、最終注射後も有意に改善していた(いずれもp<0.001)。
・第1回注射後、網膜内浮腫も、網膜下浮腫も有意に改善した(いずれもp<0.001)。
・また、平均注射間隔は5.2→6.2週に延びた(p=0.03)。再発群でもCMTはAflを1回注射後も、最終注射後も有意に改善していた(いずれもp<0.001)。
・第1回注射後、網膜内浮腫も、網膜下浮腫も有意に改善した(p<0.003 p=0.046)。
・また、平均注射間隔は7.2→9.5週に延びた(p=0.001)。Aflへの変更は有効であった。(TY)
Subfoveal fibrosis in eyes with neovascular age-related macular degeneration treated with intravitreal ranibizumab.
Bloch SB et al(Denmark)
Amer J Ophthalmol 156(1): 116-124, 2013
・197例197眼の未治療のAMDによるCNV患者で、中心窩下に繊維増殖がない症例にranibizumab治療を行い、24ヶ月まで観察した。
・中心窩下の繊維増殖の発生率は、Predominantly classic CNVでは、minimally classicあるいはoccult CNVよりもHazard Ratioは5.95(95%CI=3.25-10.90)であったが、中心窩萎縮をともなった繊維増殖の発生率は、1.8年の経過観察では3.38倍(95%CI=1.47-7.81)であった。
・どんな繊維増殖でもそれが発生する率は、ETDRS視力が40以下の者では、70以上の者と比較して、3.38倍(95%CI=1.10-10.38)であった。
・CNVの発生から治療までの期間が15日以上経ったものでは、15日未満の者に比較して、繊維増殖の発生率は2.24倍(95%CI=1.28-3.94)であった。
・繊維増殖を来たしたものは有意に視力が不良であった。(TY)
Efficacy of inverted internal limiting membrane flap technique for the treatment of macular hole in high myopia.
Kuriyama S et al(大津日赤)
Amer J Ophthalmol 156(1): 125-131, 2013
・眼軸長が26.5mm以上の高度近視眼で網膜剥離を伴った4眼と伴わない6眼の計10眼の黄斑円孔でinverted ILM flap法の効果を検討した。
・23Gの3ポート硝子体手術で、最初にPDVを発生させ、全例でtriamcinoloneを使用して残存皮質を除去し、Michalewskaらの方法に従ってinverted ILM flap法を行った。
・黄斑円孔周囲2DDまでICG染色したILMを円状に剥離し、円孔周囲のILMは残存させ、ILMを円孔の全周から掻把し、ILMを円孔上で反転させ、円孔を覆い、20%SF6ガス置換した。
・黄斑円孔はRD+の3/4眼、RD-の5/6眼で1回で閉鎖した。
・術後視力は5眼で2ライン以上改善、4眼で不変、1眼で悪化した。
・この方法は高度近視黄斑円孔眼では有効である。(TY)
The Impact of Dry Eye Disease on Visual Performance While Driving
Deschamps N, Denoyer A, et al. (France)
Am J Ophthalmol 156 (1):184–189, 2013
・20名のドライアイ患者群、および性別と年齢とをマッチさせた20名の対照群
・ドライビングシュミレーターで運転能力を評価
・ターゲットを見失う率、および平均反応時間は、ドライアイ群が有意に多かった(p<0.01)
・交差点および遠回り(右折進入?)のような特殊なシチュエーションでドライアイ群の失敗が目立った【Fig.2】
・ドライアイ群において、反応時間と高次収差(p<0.01)およびOcular Surface Disease Indexの「徴候」のスコアとが有意に正の相関を示した。【Fig.3】
【結論】ドライアイによる眼の光学的な質の下落は運転中の視機能の障害に関連する。Tear filmに関連した収差の変化が日常生活の活動に影響を与えることが示された。(MK)
Morphologic characteristics of optic nerve head drusen on spectral-domain optical coherence tomography
Kyoung Min Lee et al (Seoul National University College of Medicine, Seoul, South Korea)
Am J Ophthalmol 155(6): 1139-1147, 2013
・視神経乳頭ドルーゼンのある61名の患者。44名(72%)女性。38名(62%)両眼。61名99眼のうち、3名4眼は眼底検査で診断できるvisible drusen(見える)、58名95眼はSD-OCTで診断できるburied drusen(隠された)。Buriedは外層網膜と網膜色素上皮、脈絡膜間に存在し、垂直断OCTで高さより大、中、小に更に分類した結果、小(<300㎛)30眼、中(300~500㎛)57眼、大(>500㎛)8眼。両眼にドルーゼンのある患者では、buriedかvisibleかは完全に一致したが、大きさは両眼同じではなかった。
・visibleの患者の年齢は、buriedよりも高齢(53.3±8.6才と13.5±7.1才 P<0.001)であり、視神経乳頭径は、より大きかった(1643±265㎛と1287±185㎛、P=0.016)visibleは、全例で乳頭全周に傍乳頭・網脈絡膜萎縮があり、内部に低反射の空間又は嚢胞を伴い石灰化を示す高反射の壁がある。上耳側、上鼻側の区域でRNFLが減少していた。
・大きな視神経乳頭ドルーゼンにみられたのは、小さい乳頭径、不均一な内部反射、境界が一部高反射、網膜内嚢胞、耳側網膜神経線維層厚の増加であった。
・視神経乳頭ドルーゼンは、患者の年齢と乳頭の大きさで異なるSD-OCT所見がみられる。
(YM)
Displacement of the retina and its recovery after vitrectomy in idiopathic epiretinal membrane.
Nitta E et al(香川大)
Amer J Ophthalmol 155(6): 1014-1020, 2013
・ERM剥離硝子体手術を行った53例56眼で、眼底自発蛍光FAFを術前、術後1,3,6,12ヶ月で撮影し、網膜血管の手術後の移動について検討した。
・手術前には37/56(66.1%)に血管アーケード内に血管の偏位前の位置を示す過蛍光がみられた。
・黄斑前膜の持続期間が3年未満の症例で多かった。
・23/37(62.2%)で、この過蛍光線は手術1か月以内に消失しており、消失した例で1ヶ月後のlogMARが有意に良くなっており(p<0.05)、FAFは術後視力改善を予測する有益な検査になると考えた。(TY)
Argon laser photocoagulation of superficial conjunctival nevus: results of a 3-year study
Kyung-Hoon Shin et al (Myongji Hospital, Korea)
Am J Ophthalmol 155(5): 823-828, 2013
・結膜母斑は表層母斑と深層血管性母斑に分類され、前者は平坦で褐色で周囲血管とは関連無く、嚢胞は含まない。後者は隆起しており、嚢胞を含む。栄養血管があり、結膜由来である。結膜母斑の除去は常に必要でないが、大きいとか場所によっては整容的に除去したい。除去は外科的かアルゴンレーザーによる。外科的切除では組織の欠損や血管新生が起こりうるため大きい表層の色素母斑には薦められない。
・レーザー治療の対象は①結膜表層母斑 ②強膜との癒着無し ③前5年間大きさ、色調に変化無し(悪性の除外) ④栄養血管なし ⑤母斑内に嚢胞なし ⑥角膜にかからない ⑦球結膜に存在
・2006年3月から2009年2月までに結膜表層母斑に対し、アルゴンレーザー光凝固を施行した230名。
レーザー光凝固手技:アルゴングリーンレーザー(波長514nm)、200㎛:0.1秒、300から340mW。術後綿棒で拭き取れば結膜組織より容易に除去できた。術後1週間はレボフロキサシン、0.1%フルオロメソロンを1日4回点眼。4×4㎜以内のものは1回で、それ以上の大きさのものは2週間の間隔をあけて2回以上施行した。1回で完全除去した症例は212眼(81%)。スポット総数は平均107.83。感染、角膜損傷等明瞭な合併症は無かった。
・結論として、アルゴンレーザー光凝固は良性の結膜表層色素沈着に対し安全で有効な治療である。外科的治療が困難な大きい結膜母斑に対しても有用である。(YM)
Predictive value of spectral-domain optical coherence tomography features in assessment of visual prognosis in eyes with neovascular age-related macular degeneration treated with ranibizumab
Raeba Mathew et al (King’s College Hospital, London, United Kingdom)
Am J Ophthalmol 155(4); 720-726, 2013
・治療前のOCTの特徴により、血管新生ARMDをIVRで加療後12ヶ月の視力を予測できるかどうかを、加療を行なった94名100眼(平均年齢79.1±1.7才)で検討する。
・ellipsoid zone と中心窩下領域のELMが異常の無い事の2つのみが治療12ヶ月後の最終視力に良い影響を及ぼすが、形態学的な特徴では何も12ヶ月後を予測できなかった。
・網膜外層が無傷であることが血管新生ARMDに対するIVR治療後12ヶ月での最終視力を決定するのに非常に重要であり、治療に抵抗する症例に更にIVRを追加すべきかの決め手となる。(YM)