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American Journal of Ophthalmology

2012
154巻

LASIK後の近視戻りに対するチモロールの効果

American Journal of Ophthalmology 154巻 (5号) 2012

Effect of Timolol on Refractive Outcomes in Eyes With Myopic Regression After Laser In Situ Keratomileusis: A Prospective Randomized Clinical Trial
Shojaei A, Eslani M, et al.(Iran)
Am J Ophthalmol 154(5):790–798, 2012
・LASIK後に近視側に後戻りした124眼を前向き無作為に2群に割付け(最終解析各45眼);【グループ1】0.5%チモロールを1日2回・6か月間点眼、【グループ2】人工涙液を1日2回・6か月間点眼
・等価球面度数の変化(ベースライン → 治療開始6か月後 → 点眼中止6ヵ月後);【グループ1】-1.48±0.99D → -0.88±0.91D → -0.86±0.93D、【グループ2】-1.57±0.67D → -1.83±0.76D → -1.91±0.70D(P<0.001)【Tab.3】
・点眼開始6か月後および点眼終了6か月後において、グループ1の等価球面度数はグループ2のそれと比べて有意に良好であった(P<0.001)
・グループ1ではLASIK後4か月経つごとに等価球面度数の改善度が0.26D減少した
【結論】 チモロール点眼はコントロールに比べてLASIK後の近視側戻りに対して有効である。この効果は治療中断後最低でも6か月は持続する。(MK)

2012
154巻

Ranibizumabの眼内動態

American Journal of Ophthalmology 154巻 (4号) 2012

Intraocular pharmacokinetics of ranibizumab following a single intravitreal injection in humans.
Krohne TU et al(Germany)
Amer J Ophthalmol 154(4): 682-686, 2012
・ヒトでranibizumabを1回硝子体内注入した後の硝子体内動態を調査した。
・18例18眼の非硝子体術眼(61-85歳)で、白内障が強く、AMDあるいはDMEやRVOよる黄斑浮腫がある者を対象として、0.5mg ranibizumabを硝子体内注射した。
・注射1-37日後に白内障手術を行い、前房水を採取し、ranibizumab濃度を測定した。
・注射1日後の濃度は36.9-66.1μg/mLで、その後、指数関数的に減少していた。
・非直線回帰分析で、初期濃度は56.1μg/mLで、半減期は7.19日であった。bevacizumabの半減期は9.82日であり、これよりはやや短かった。

2012
154巻

近視性牽引性黄斑剥離に対する手術方法の検討

American Journal of Ophthalmology 154巻 (4号) 2012

Fovea-sparing internal limiting membrane peeling for myopic traction maculopathy.
Shimada N et al(東京医科歯科大)
Amer J Ophthalmol 154(4): 693-701, 2012
・近視性牽引性黄斑剥離の治療に対して、中心窩を除外したILM剥離の方法を紹介する。
・45例45眼を完全に黄斑部ILM剥離を行った30眼と、中心窩を除外して行った15眼に分けて検討した。
・ILM剥離中に剥離が中心窩に近づいたら、別の場所から再度剥離を開始し、最後は硝子体カッターでトリミングした。
・中心窩全例、ガス注入を行い、術後6ヶ月以上の経過観察を行った。
・全層黄斑円孔の発生は全剥離の5/30(16.7%)、除外剥離では発生はなかった。
・除外剥離群では術後OCTで中心窩の残存ILMの収縮と外層部の層状円孔の縮小がみられた。
・術後視力は術前と比較して、除外剥離群では有意に上昇したが(p=0.04)、全剥離群では有意な上昇はなかった。
・この方法は近視性牽引性黄斑症に由来した黄斑剥離の治療として、視力的にも解剖学的にも良好で、全層黄斑円孔になる可能性を減らせると考えた。

2012
154巻

AMDに対するルテイン、ゼアキサンチンの効果

American Journal of Ophthalmology 154巻 (4号) 2012

Improvement of retinal function in early age-related macular degeneration after lutein and zeaxanthin supplementation: A randomized, double-masked, placebo-controlled trial.
Ma L et al(China)
Amer J Ophthalmol 154(4): 625-634, 2012
・初期のAMDに対し、多局所ERG(MfERG)を用いてルテイン[L]、ゼアキサンチン[Z]の効果について検討した。
・108名の初期AMD患者を10mg/d[L]:n=27、20mg/d[L]:n=27、10mg/d[L]+10mg/d[Z]:n=27、プラセボー:n=27の4群に分け、48週間内服した。
・36名の年齢をマッチさせた正常者を基礎データとした。
・MfERG反応と黄斑色素濃度(MPOS)をbaseline、24,48週で測定した。
・初期AMD者では正常者と比較して、MfERGではring-1~3ではN1P1反応が減弱していたが(p<0.05)、ring-4~6ではN1P1反応もP1潜時も有意差はなかった。
・48週内服後では、20mg[L]群と[L]+[Z]群でring-1のN1P1反応は有意に増加し、20mg[L]群でring-2のN1P1反応が有意に増加していた。
・ほぼ全ての治療群で、MPODの増加は、ring-1,2のN1P1反応の増加に相関していたが、ring-3~6のN1P1反応や全てのringでのP1潜時には有意な変化はみられなかった。
・N1P1反応の増加とMPODの増加との相関は、ring-1では、10mg[L]:r=0.54,p=0.05、20mg[L]:r=0.51, p=0.008、[L]+[Z]:r=0.56 p=0.03、ring-2では、10mg[L]:r=0.30,p=0.13、20mg[L]:r=0.51, p=0.008、[L]+[Z]:r=0.53 p=0.06。
・初期のAMD患者の初期の機能変化は、ルテインやゼアキサンチン内服で回復することが可能で、この回復は黄斑色素濃度の上昇に起因しているだろう。

2012
154巻

顔面への美容的な詰め物注射によって引き起こされた医原性網膜動脈閉塞

American Journal of Ophthalmology 154巻 (4号) 2012

Iatrogenic Retinal Artery Occlusion Caused by Cosmetic Facial Filler Injections
Park SW, Woo SJ, et al.(Korea)
Am J Ophthalmol 154(10):653–662, 2012
・2003年1月~2012年1月、顔面への美容的な詰め物注射の後に発症した網膜動脈閉塞12例、全ての症例で注射直後に急激な視力低下を自覚・
・眼動脈閉塞(7例)、網膜中心動脈閉塞(2例)、網膜動脈分枝閉塞(3例)
・詰め物:脂肪の自家移植(7例)、ヒアルロン酸(4例)、コラーゲン(1例)。自家脂肪が最も視力予後不良
・注射部位:眉間(7例)、鼻唇溝(4例)、両方(1例)
・眼動脈閉塞:すべての症例で眼痛を自覚、すべて光覚喪失、SD-OCT(enhance depth image)にて脈絡膜の菲薄化【Fig.2】
・眼動脈閉塞およびCRAOの1例ずつで脳梗塞を合併、眼動脈閉塞の1例で眼球癆に
【結論】顔面への美容的な詰め物注射にて網膜動脈の閉塞が起こりうる。眼痛とSD-OCTによる脈絡膜血管の狭細化は(悲惨な視機能障害につながる)医原性の眼動脈閉塞の良い指標となる。眉間と鼻唇溝はハイリスクの場所であり、医原性網膜動脈閉塞や関連する眼徴候のみならず脳梗塞や眼球癆などの重篤な合併症を引き起こす。したがってこれらの治療を受ける患者にはこのような危険性の情報を伝える必要があり、注射も注意深く行う必要がある。さらにはこれらの治療を受けた患者が眼痛を訴えた場合は、眼科的検査と全身的なMRI検査を行うことが必要である。(MK)

2012
154巻

円錐角膜に対する角膜クロスリンキング

American Journal of Ophthalmology 154巻 (3号) 2012

Corneal collagen cross-linking (Editorials)
Stulting RD(GA USA)
Amer J Ophthalmol 154(3): 423-424, 2012
・円錐角膜は多因子で、遺伝性、眼を擦ったなどの環境因子もある。
・20代から40代にかけて発現、進展し、老年期には進行しなくなる。これは、加齢による角膜の硬化が影響していると考えられている。
・2003年にWollensakらが進行した23眼の円錐角膜に対してriboflavin-ultraviolet A(UVA) corneal collagen cross-linking(CXL)を始めて発表した。
・合併症は稀だが、角膜感染、角膜浸潤、角膜瘢痕、角膜上皮障害、角膜内皮障害による角膜浮腫等がある。
・UVA照射やriboflavin暴露による角膜上皮幹細胞障害も角膜障害を引き起こす可能性がある。
・一般的にCXLによる視力障害の発生は稀で、1-3%位であるが、角膜厚が400μm以上の人に限定し、術後の感染予防に抗生剤を使用し、術後密に経過観察すれば、もっと、視力障害例を少なくできるだろう。
・18歳未満の小児に対する適応も考えるべきだろう(AJO 154:520-526,2012)。
・CXLは角膜の保持する水分を減らすことができるので、角膜内皮障害に対する角膜移植も減らせる可能性もあり、LASIK後の角膜突出も治療できると考えられ、現在、アメリカで行われている角膜移植の50%は避けることができる可能性もある。

2012
154巻

国内の緑内障患者の中でのうつ病の流行と予測

American Journal of Ophthalmology 154巻 (3号) 2012

Prevalence and Predictors of Depression Among Participants With Glaucoma in a Nationally Representative Population Sample
SOPHIA Y. Wang et al (California ,SanFrancisco)
Am J Ophthalmol 2012 ;154 :436-444
・緑内障患者の中でのうつ病の流行と危険因子、うつ病に対する緑内障の意味を予測する。
・40才以上の6,760名。視力、眼底写真、視野で視機能を計測し、うつ病の有無は面談で決定。緑内障のあるうつ病は10.9%、無しでのうつ病は6.9%。人口統計学に則して、緑内障の存在は、明らかにうつ病の要因となっていた。
・自己回答では見づらさとうつ病は関係があったが、実際測定する視力、垂直断のCD比、視野欠損は、うつ病と無関係であった。緑内障患者の中で、視機能と緑内障の重症度はうつ病の予測にはならないが、一方、見づらいという自覚がうつ病につながる。ゆえに、患者自身の主体的な病気の捉え方こそが客観的な緑内障の重症度の測定よりもうつ病につながると結論づけられる。(YM)

2012
154巻

緑内障での視野のステージ分類システムと日常生活の活動性

American Journal of Ophthalmology 154巻 (3号) 2012

Visual Field Staging Systems in Glaucoma and the Activities of Daily Living
KAUSHAL M. KULKARN et al (Philadelphia ,Pennsylvania)
Am J Ophthalmol 2012 ;154 :445-451
・緑内障での視野の欠損を8つの臨床に関連する方法で分類し、日常生活の活動性と、患者自身の測る日常生活の質と比較する。
・様々なタイプの緑内障患者192名を標準の単眼・両眼視野検査で評価。行動に伴う視機能と主観的な生活の質も評価した。
・これまで片眼視野が緑内障の発見と経過観察に用いられてきたが、見るということとQOLにょり関与しているのは、良い方の目である。良い方の目で測定したハンフリー視野計Ⅱのmean defectが有用であると思われる。パターン標準偏差は、視機能の評価にはあまり価値がない。(YM)

2012
154巻

自律神経機能不全と末梢の微少循環の異常を伴うNTG患者の視野の特性

American Journal of Ophthalmology 154巻 (3号) 2012

Visual Field Characteristics in Normal-Tension Glaucoma Patients With Autonomic Dysfunction and Abnormal Peripheral Microcirculation
HAE-YOUNG LOPILLY PARK et al (Seoul ,Korea)
Am J Ophthalmol 2012 ;154 :466-475
・60人60眼のNTG患者(視神経乳頭の異常、緑内障性視野変化、開放隅角、眼圧は21㎜Hg以下、2年以上通院中)に眼科的検査を行ない、その後リウマチ部門にて心拍数の変化と爪の毛細血管撮影で末梢の微少循環を調べた。
・自律神経機能不全又は異常な末梢微少循環があると、中心10度、特に上方の中心10度に近い深い視野欠損に至る。
・黄斑中心繊維には酸素が多く必要で、虚血の際に黄斑ガングリオンセルと中心繊維の選択的欠損がおこり、最初にダメージを受ける。
・仮説として、自律神経機能不全と異常末梢微少循環を有するNTG患者には視神経乳頭の虚血をもたらすのではないか。ゆえに中心10度の欠損は、乳頭出血と血管の危険因子(高血圧、偏頭痛、レイノー現象、睡眠時無呼吸)を伴う可能性がある。(YM)

2012
154巻

眼球に化学熱傷を受けた患者の緑内障

American Journal of Ophthalmology 154巻 (3号) 2012

Glaucoma in Patients With Ocular Chemical Burns
MICHELLE P. LIN et al (Seattle ,Washington)
Am J Ophthalmol 2012 ;154 :481-485
・ワシントン大学眼科での18名29眼。
・化学熱傷で角膜が不透明になり精査困難なため、眼圧21㎜Hg以上を緑内障とした。
・化学熱傷は、Roper-Hall分類を使用。
              グレードⅠ:輪部虚血の無い、角膜上皮の損傷
                  Ⅱ:虹彩の詳細は透見できる角膜混濁で、輪部1/3以下の虚血
                  Ⅲ:全上皮の欠損。虹彩は透見できない。1/3~1/2の輪部虚血
                  Ⅳ:角膜混濁が強い。虹彩も瞳孔も透見できない。1/2周以上の輪部虚血
・男性(83%)、白人(83%)、アルカリ外傷(83%)平均pH9.38。アルカリの中で68%は視力0.1以下。R-H分類でⅠ(17.2%)、Ⅱ(13.8%)、Ⅲ(31.0%)、Ⅳ(37.9%)。1眼は眼球破裂のため10日後に摘出。
・眼表面に化学薬品を受けると、初期の直接的なケガというのは、繊維柱帯と流出路の組織の収縮と破壊をおこす。その後、慢性的な炎症により、癒着と隅角の閉塞に移行する。それ以外、長期ステロイド投与を続ければ遅れて眼圧の上昇につながる。
・眼球化学熱傷でRoper-Hall分類ⅢかⅣの眼は、眼圧が上昇しやすく(35.9vs16.4㎜Hg; P=.001)、長期の緑内障薬の投与(P=.003)と手術(P=.016)が必要となりうる。最終的な視力は、一般的に眼圧コントロールが良好となっても、角膜混濁のため、不良となりやすい。(YM)

2012
154巻

SD-OCTでのベーサルラミナドルーゼンの短期間の変化

American Journal of Ophthalmology 154巻 (3号) 2012

Short-Term Changes of Basal Laminar Drusen on Spectral-Domain Optical Coherence Tomography
JOHANNES P. H. VAN DE VEN et al (Nijmegen ,The Netherlands)
Am J Ophthalmol 2012 ;154 :560-567
・SD-OCTを用いて4ヶ月間経過観察した19眼105個の小さい硬性ドルーゼンは、容積が変化した。(P=.031)
・黄斑ドルーゼンは病理上はRPEのベーサルラミナ間の細胞外貯留物であり、重要な成分は中間脂質、炭水化合物、亜鉛、多種のたんぱく質である。ドルーゼン内には多くのたんぱく質があり、それらは炎症や免疫の過程で生じたため、多種類となっている。FAの初期動静脈相で「空の多数の星」として典型的に描出される。ドルーゼンはAMD重症度の目安である。ゆえにドルーゼンの大きさや数は、AMDステージ分類に用いられ、病変の進行、視力低下の予測に役立つが、短期に変化するため、病変のステージ分類を誤る可能性がある。(YM)

2012
154巻

少量の複視に対する単眼視による矯正

American Journal of Ophthalmology 154巻 (3号) 2012

Monovision Correction for Small-Angle Diplopia
MATTHEW C. BUJAK et al (Toronto ,Ontario ,Canada)
Am J Ophthalmol 2012 ;154 :586-592
・成人の後天性の少量の両眼複視の治療において、単眼視による矯正の効果を量的に評価する。
・特徴的な複視の患者20名。全員3ヶ月以上続く10プリズム以下の複視患者は各眼の視力が0.5以上であり、プリズム眼鏡で満足の人は除いた。毎回測定したのは、遠見、近見視力、眼球運動、カバーテスト、チトマスステレオテスト。きき目のみ遠見視力を矯正する眼鏡かコンタクトレンズを装用、他眼には10名は+3.00D、10名は+2.50Dを加えた。このモノビジョン矯正後、最初の効果は複視の自覚の改善で、20名中17名(85%)で改善、2名(10%)で不変、1名(5%)で悪化した。次に7方向眼位、主観的なQOLが改善。
・複視の患者が両眼視をとり戻す方法は、プリズム眼鏡、斜視手術、外眼筋へのボツリヌス毒素の注射がある。第一の保存療法はプリズム眼鏡だが、8~10プリズム以上になると正面視でゆがみが発生するという限度がある。少量のずれに対する斜視手術は過矯正となる危険がある。手術もボツリヌス注射も侵襲的な治療法で、患者には低矯正、過矯正、感染、視力低下、麻酔に伴う危険などがある。
・片眼を遠方に、他眼を近方に焦点を合わせるモノビジョン矯正では複視の自覚を抑制し、良好な視野もあり、単眼の視力も維持し、周辺で立体視も得られた。利点として、高齢者が老眼鏡をかけなくて良い。患者のQOLも改善した。眼鏡と異なり屈折手術によるモノビジョンは元に戻すことが困難となる。(YM)

2012
154巻

米国におけるPOAGの推移予測

American Journal of Ophthalmology 154巻 (2号) 2012

The changing face of primary open-angle glaucoma in the United States: Demographic and geographic changes from 2011 to 2050.
Vajaranant TS et al(IL USA)
Amer J Ophthalmol 154(2): 303-314, 2012
・USでの40歳以上のPOAGの数を、年齢、性、人種ごとに推計した。
・USでは2011年には271万人のPOAG者がおり、70-79歳が31%、女性が53%、非Hispanicスペイン系白人が44%を占めている。
・2050年にはPOAG者は732万人に増え、70-79歳が32%、女性が50%、Hispanicスペイン系白人が50%を占めるようになると予測される。
・大きな変化はHispanicの男性に増えてくると考えられ、New Mexico、Texas、FloridaではPOAG者は倍になると予測される。

2012
154巻

ぶどう膜炎におけるFAとOCT所見の解離

American Journal of Ophthalmology 154巻 (2号) 2012

Discrepancies between fluorescein angiography and optical coherence tomography in macular edema in uveitis.
Norel JOV et al(Netherlands)
Amer J Ophthalmol 154(2): 233-239, 2012
・78例112眼のぶどう膜炎に伴った黄斑浮腫MEについて、FAとOCTで両者間にデータの解離がないかどうか検討した。
・両者に所見があった(FA+/OCT+)は61/112(54%)であったが、(FA+/OCT-)は34/112(30%)、(FA-/OCT+)は17/112(15%)にみられた。
・この所見の相違と年齢、性、ぶどう膜炎やMEの罹病期間、視力、ぶどう膜炎の原因とには相関がなかった。
・(FA+/OCT-)や(FA-/OCT+)の解離では、典型的にはMEの程度は少なかった。
・(FA+/OCT-)はbirdshot chorioretinopathyの50%(7/14)に、(FA-/OCT+)は中等度の非活動性のぶどう膜炎にみられ(8/18 44%)、(FA+/OCT+)は活動性のぶどう膜炎に良くみられた。

2012
154巻

網膜剥離手術後のPVR発症の予測

American Journal of Ophthalmology 154巻 (2号) 2012

Prediction of Proliferative Vitreoretinopathy after Retinal Detachment Surgery :P otential of Biomarker Profiling
LUKAS J. A. G. RICKER et al (Maastricht ,Netherlnads)
Am J Ophthalmol 2012 ;154 :347-354
・網膜剥離手術後のPVR発症の予測において、臨床上の危険因子と生体マーカーをあわせた可能性を調べる。
・裂孔原性網膜剥離に強膜バックリング手術を行った患者から採取した網膜下液のうち、50の項目を同時に計測する。複数のbead-basedイムノアッセイを使用した。バイオバンクに保管している306検体のうち最初の手術から3ヶ月以内にPVRが原因で再剥離した21例がPVR群、合併症が無かった54例で年令、性別、貯蔵期間が一致するものをRRD群とした。
・PVRの過程は、いくつかの段階を経た創傷治癒を暗示し、その中には炎症性細胞の流入、細胞の増殖と移動、細胞外物質の変形などが含まれる。再剥離に関し、硝子体内薬理学的物質に注目した。
・今回の調査で、術前のPVRの重症度と、単一の生体マーカーCCL22又は、複数の生体マーカー、CCL22(ケモカインリガンド2)、IL-3(インターロイキン3)、MIF(マクロファージ遊走阻止因子)との両者が、線維化する眼病変の予測に役立つとわかった(P<.001)。また、術前の硝子体出血、術前の冷凍凝固、外傷は高いサイトカインのレベルをもたらすため、PVRの危険を増す。(YM)

2012
154巻

睡眠時無呼吸症候群と網膜静脈閉塞症との関連について

American Journal of Ophthalmology 154巻 (1号) 2012

Sleep apnea and risk of retinal vein occlusion: A nationwide population-based study of Taiwanese.
Chou KT el al(Taiwan)
Amer J Ophthalmol 154(1): 200-5, 2012
・睡眠時無呼吸SAと、その後に発症した網膜静脈閉塞との関連をTaiwan National Health Insurance Research Databaseを用いて調べた。
・1997-2007までに新規に診断された5,965例のSAと、年齢などをマッチさせたコントロールCTRL群29,669例で比較した。
・全例35,634例の中で平均3.72年の経観察期間中に52例(0.15%)がRVOを発症。
・そのうちSA群は13例(0.22% 全例がBRVO)、CTRO群は39例(0.13% 39例がBRVO、10例がCRVO)であり、Kaplan-Meier分析では、SA患者がRVOを発症しやすい傾向がみられた(p=0.048)。
・SA患者がRVOを発症する率はCTRLの 1.94倍(95%CI=1.03-3.65 p=0.41)高かった。

2012
154巻

黄斑円孔手術後の視機能と黄斑部錐体濃度

American Journal of Ophthalmology 154巻 (1号) 2012

Photoreceptor damage and foveal sensitivity in surgically closed macular holes:An adaptive optics scanning laser ophthalmoscopy study.
Ooto S et al(京都大)
Amer J Ophthalmol 154(1): 174-86, 2012
・Adaptive Optics SLO(AO-SLO)とOCTを用いて、黄斑円孔手術閉鎖6ヶ月後の構造変化とmicroperimetryでの黄斑感度を19例21眼の特発性黄斑円孔例で測定した。
・AO-SLOでは全例で0.004~0.754mm2の暗黒領域がみられた。
・錐体密度が低いほど、視力が悪く(p<0.001)、黄斑感度は低かった(p<0.001)。
・AO-SLOの暗黒領域が広いほど、視力が悪く(p=0.003)、黄斑感度は低かった(p=0.006)。
・術前の円孔内の外節が欠損していたり、術後の中心窩に中等度反射領域があると、術後の錐体濃度は有意に低く(p=0.018, p<0.001)、暗黒領域は有意に大きかった(p=0.001, p<0.001)。
・暗黒領域が大きいほど、術前の円孔開放期間が長かった(p<0.001)。

2012
153巻

トリアムシノロンテノン嚢下注入後の薬剤動態

American Journal of Ophthalmology 153巻 (5号) 2012

Pharmacokinetic study of vitreous and serum concentrations of triamcinolone acetonide after posterior sub-tenon’s injection.
Kovacs K et al(MA USA)
Amer J Ophthalmol 153(5): 939-48, 2012
・後部テノン下に注入したトリアムシノロンの拡散についてのシミュレーションモデルと、57名の硝子体手術中に採取した硝子体と血清内のトリアムシノロンレベルを比較した。
・採取時期は術後 1,3日、1,1,3,4,8週目で、最低5検体を、トリアムシノロン注入後の症例と、注入しないコントロール6症例で採取した。
・モデルでは、3日目に安定期になり、その濃度は、血清で15、硝子体で227、脈絡膜細胞外で2230ng/mLであった。
・実測値では硝子体内は1日目に最高111ng/mLになり、1ヶ月後も15-25ng/mLの高いレベルが持続したが、血清では3日目に最高35ng/mLとなった。
・これらから、経強膜での硝子体内浸潤が推測された。

2012
153巻

緑内障チューブ手術と線維柱帯切除術の5年経過(2)術後合併症

American Journal of Ophthalmology 153巻 (5号) 2012

Postoperative complications in the Tube versus Trabeculectomy (TVT) Study during five years of follow-up.
Gedde SJ et al(CA USA)
Amer J Ophthalmol 153(5): 804-14, 2012
・Tube Versus Trabeculectomy (TVT) Studyでの107眼のTube(T)群と105眼の線維柱帯切除(L)群の5年後の術後合併症の報告。
・1か月以内の早期合併症はT群の22例(21%)、L群の39例(37%)に発生した(p=0.012)。
・1カ月以降の晩期合併症はT群の36例(34%)、L群の38例(36%)に発生し、合併症に対する再手術率はT群で20眼22%、L群で15例18%。
・有水晶体眼に対する白内障手術は、T群で13眼54%、L群で9眼43%で、いずれも、有意差はなかった。
・早期合併症はT群で多く、晩期合併症は両群間で有意差がない結果となった。
・ただし、合併症に対する再手術(T群20眼、L群15眼)の内容は、全層角膜移植T群6眼:L群0、硝子体手術T群6眼:L群0、濾泡再建T群0:L群5眼と差があった。

2012
153巻

緑内障チューブ手術と線維柱帯切除術の5年経過(1)術後成績

American Journal of Ophthalmology 153巻 (5号) 2012

Treatment outcomes in the Tube Versus Trabeculectomy (TVT) Study after five years of follow-up.
Gedde SJ et al(CA USA)
Amer J Ophthalmol 153(5): 789-803, 2012
・Tube Versus Trabeculectomy (TVT) Studyの5年後の結果の報告。
・17施設で、18-85歳で、以前に線維柱帯切除術を受け、許容できる最大治療下での眼圧が18以上、40以下のコントロール不良例を対象として、Tubeシャント(350mm2 Baerveldtインプラント)あるいは、マイトマイシンCを使用した線維柱帯切除術を行った。
・手術失敗の基準は、追加治療を行っても眼圧が21mmHgを越えるか、眼圧が20%低下しないか、眼圧が5mmHg以下か、緑内障再手術を行ったか、光覚がなくなった場合とした。
・212例212眼を、107眼のTube(T)群と105眼の線維柱帯切除(L)群に分けて検討した。
・5年後の眼圧はT群14.4±6.9mmHg、L群12.6±5.9mmHgで有意差なし。
・緑内障点眼数もT群1.4±1.3、L群1.2±1.5で有意差なし。
・視力にも有意差なし。5年間の積算失敗率はT群29.8%、L群46.9%で有意差あり(HR=2.15 95%CI=1.30-3.56 p=0.002)。再手術率は、T群9%、L群29%で有意差あり(p=0.025)。
・この結果からは、Tubeの方が良好であった。

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