Outbreak of Microsporidial Keratoconjunctivitis Associated With Water Contamination in Swimming Pools in Taiwan
Wen-Yi Wang, Hsiao-Sang Chu , Pei-Chun Lin, Tai-Fen Lee, Kuan-Ting Kuo, Po-Ren Hsueh, Fung-Rong Hu, I-Jong Wang(Taiwan)
Am J Ophthalmol 2018;194:101-109
・10代の患者13例15眼、台湾のプールで泳いだのちに微胞子虫による角結膜炎を発症
・角膜掻爬、グラム染色、キニヨン染色(Ziehl-Neelsen法と類似、原虫の染色に用いる)、PCRで診断
・発症:水暴露後1-12日
・初診時すべての症例で、非化膿性の結膜炎およびプラーク状角膜上皮病変(周辺部6眼、中心部3眼、周辺・中心両方5眼、SPK併存1眼)
・経過観察期間中、10眼で中心部SPK、または上皮下にヘイズ・浸潤
・PCRにて全症例でVittaforma corneaeが同定
・レボフロキサシン点眼とベタメサゾン点眼にて後遺症なく治癒(MK)
Case report
A simple lens-sparing technique to treat hypotonic maculopathy secondary to large cyclodialysis
Masayo Kimura et al. (名市大)
Am J Opthhalmol Case Rep (10), 300-303, 2018
外傷による隅角解離後の低眼圧黄斑症に対する廃液。
30G針にBSSをつけ、硝子体腔に注入し眼圧をあげる
25Gまたは27GのInfusion portをまっすぐにさして先端を確認し灌流。灌流圧を60mmHgまであげる
輪部から2mmの位置で2x4mmのフラップ作成
その下に切開を入れて廃液
フラップの下をジアテルミー凝固
排液した切開部を縫合
フラップ縫合(MM)
The risk of primary open angle glaucoma following vitreoretinal surgery. A population based study.
Mansukhani SA et al(MI USA)
Amer J Ophthalmol 193(9): 143-155, 2018
・網膜硝子体手術後にPOAGを発症するリスクをretrospectiveに検討した。
・2004/1~2015/12に強膜バックル and/or 硝子体手術を行った688眼の内、続発緑内障などの344眼を除外し、残った344眼とCtrlの277眼を検討し、POAGの発症頻度を調べた。
・年齢64.7±11.1歳で、経過観察の中間値は4.9年である。
・強膜内嵌SBが58眼、強膜内嵌+硝子体手術SBVが57眼、硝子体手術のみPPVが229眼である。
・10年間でPOAGを発症した頻度は手術眼で8.9%(95%CI=3.8-14%)、非手術眼で1.0%(95%CI=0-2.4%)であり、有意差があった(P=0.02)。
・SB眼でPOAGを発症した例はなかった。
・10年間でPOAGを発症する予想頻度は、SBVでは17.5%(95%CI=0-34.9%)、PPVでは10.0%(95%CI=3.0-17.0%)であり、これらはいずれも、Olmsted CountyでのPOAGの頻度(1.0%)よりも有意に高かった(p<0.001)。
・患眼と健眼との比較では、患眼が15眼(8.9%)、健眼が2眼(1.0%)でPOAGを発症し(p=0.02)、患眼15眼のうち4眼(26.7%)がNTGであり、発症までの期間は中間値40.2ヶ月(46.1±28.3か月)であった。
・硝子体手術後の線維柱帯の酸化ストレスも一因か。(TY)
Risk of Glaucoma Surgery After Corneal Transplant Surgery in Medicare Patients
CHENGJIE ZHENG et al. (CA USA)
Am J Ophthalmol 2018(8);192:104-112.
目的:角膜移植手術後の緑内障手術の割合を決定する。
対象と方法:2010年から2013年に角膜移植を施行した3098眼。全層角膜移植(PK)1012眼、角膜内皮移植術(EK)1919眼、表層角膜移植(ALK)46眼、人工角膜移植術(KPro)32眼、PK + EK 89眼。
角膜移植の前に緑内障と診断されていたのは532眼。
結果:角膜移植手術後の緑内障手術の割合は、手術方法別で6.1%から9.4%の範囲であり、有意差はなかった(P =0 .93)。
PK7.7%、EK7.1%、ALK8.7%、KPro 9.4%、PK + EK 6.1% 。
患者の年齢別差はなかった。65-69歳群で8.2%、70-74歳群で7.5%、75-79歳群で7.4%、80-84歳で7.3% 85-89歳群では5.3%、90歳以上群では8.1%(P =0.63)。地域別では、東部地域の患者の8.1%、西部は7.0%、中西部は8.1%、南部は4.9%であった。南部の割合は他の地域よりも多少低いが、全体的な差は統計的に有意ではなかった(P = 0.072)。
性別による差が認められた。女性患者の6.6%に対し男性患者の8.6%。(P = 0.045)。さらに、黒人患者は白人患者と比較してそれぞれ11.4%、6.5%(P =0.030)と有意差を認めた。
角膜移植の前に緑内障と診断されていたのは532眼で、その内10.0 %で緑内障手術が必要になったが、緑内障既往無しでは5.3%で有意差を認めた。(P < 0.01)
特に緑内障既往ありPK 12.4%、緑内障既往無しPK 2.8%。(P < 0.01)。
結論:角膜移植の術式を変更することにより、リスクが高まることを示唆している文献があるにもかかわらず、様々なタイプの角膜移植で有意差は認められなかった。しかし、緑内障既往患者は、特にPK群で顕著に緑内障手術のリスクが高かった。これらの患者は移植後、長期間注意が必要である。(CH)
Long-term choroidal thickness changes in eyes with drusenoid pigment epithelium detachment.
Dolz-Marco R et al(NY USA)
Amer J Ophthalmol 191(7): 23-33, 2018
・新生血管のないAMDとドルーゼン様PEDを持った患者の視力と中心窩下脈絡膜厚をPEDの崩壊前後で検討した。
・25例37眼のbaseline年齢71±8.4歳を平均4.9±1.9年経過観察した。
・PED崩壊は25眼(68%)で発生し、PEDの最高の高さ、中心窩下脈絡膜厚は有意に低下した(p<0.001)。
・PED崩壊中の脈絡膜厚の減少は35.9μm/年と急速で、このうち23眼(92%)で地図状萎縮(GA)が発生した。
・GA面積と脈絡膜厚減少との間には相関がみられた(P=0.01)。(図)(TY)
Long-term changes in anterior segment characteristics of eyes with different primary angle-closure mechanisms.
Kwon J et al(Korea)
Amer J Ophthalmol 191(7): 54-63, 2018
・経過観察中にレーザー虹彩切開LIを行った狭隅角眼75例133眼を平均4年間(41-54ヶ月)観察した。
・AS-OCTでACD(前房深度)、LV(水晶体アーチ)、AOD(angle opening distance)を測定し、4群に分けた。
・PB(pupillary block)46眼35%、PIC(plateu iris configulation)30眼23%、TPIR(thick peripheral iris roll)34例26%、ELV(exaggerated lens vault)23例17%。
・BaselineのACDは浅い順にELV、PB、TPIR、PICであった。
・PICは他の群より有意にAODが大きかった。
・LI後はPBとTPIRでは隅角は広がったが、PICとELVでは変化はなかった。(図)(TY)
Comparison of Changes in Macular Ganglion Cell-Inner Plexiform Layer Thickness Between Medically and Surgically Treated Eyes With Advanced Glaucoma
Hiroko Inuzuka et al (Gifu, Japan)
Am J Ophthalmol 187(3): 43-50, 2018
・2015.9-2016.8に受診し、2009.10-2015.9までに5年以上の経過を追えており、調査開始時SITA30—2 MD値<—12dB、SE±6.0DのOAG患者を対象とし、年齢、性別、病型、観察期間中の平均眼圧、調査開始時MD値をマッチさせた2群で、点眼群は過去にレーザーを含め、緑内障手術を行っていない、手術群は2008年より前にレクトミーを受け、点眼を使用せず、ブレブ形態が良好なものを各43眼 対象とした
・結果:観察期間中の平均眼圧、5年後のMD値は、群間の有意差は認めなかったが、mGCIPLの変化量と眼圧の変動は点眼群で有意に大きかった
・眼圧の変動が手術により減少することが関係していると思われる(MM)
Factors Associated With Early Graft Detachment in Primary Descemet Membrane Endothelial Keratoplasty.
PIA LEON, et al. (Italy)
Am J Ophthaomol. 2018 Mar;187:117-124.
・目的:初回DMEK後の早期術後移植片剥離に関連する潜在的なドナー、レシピエント、術中、または術後の危険因子を評価する。
・対象と方法:2014年11月5日から2016年7月12日までに初回DMEKを受けた173眼。フックス角膜内皮変性症69.94%、白内障術後の水疱性角膜症15.60%、角膜移植後の移植片不全12.13%。白内障手術併用は109眼(63.01%)
・術後2〜3時間後の診察で瞳孔ブロックを認めた3眼で前房の空気を抜いた。(併用2眼、単独1眼)
・結果:早期移植片剥離を起こしたのは59眼(34.1%)。全例前房内空気再注入を行なった。
・DMEK +白内障手術併用の症例(オッズ比[OR] = 5.31,95%信頼区間[CI] 2.03-13.86、P <.002)と術後2〜3時間後の前房内空気量≦75% の症例(OR = 2.66,95%CI 1.12-6.34、P = 0.027)は、手術後の移植片剥離の独立した危険因子であることが判明した。
・結論:白内障併用手術では、DMEKの前に十分な縮瞳が出来ない、IOLが不安定、前房内の粘弾性物質残留などで早期移植片剥離が起こり易いため、併用手術よりも連続手術の方が良いと思われる。また、瞳孔ブロックの発症を避けるために最大限の注意を払う一方で、前房内空気量は手術後の早い時間に診察し、75%以上に維持されると良い。(CH)
Long-Term Outcome of Second Ahmed Valves in Adult Glaucoma
Nima Fathehi, et al (UCLA, USA)
Am J Ophthalmol 186(2): 96-103, 2018
・1994年から2016年までに同一眼に続けてAhmedインプラントを入れた104名110眼の5年間の成績を調べ、有効性と安全性、不成功のリスクファクターを調査した
・成功基準
1.IOP 21mmHg以下かつ20%低下もしくは術前が21mmHg以下の場合2剤減量で術前眼圧以下
2.18mmHg以下かつ25%低下もしくは術前が18mmHg以下の場合2剤減量で術前眼圧以下
3.15mmHg以下かつ30%低下もしくは術前が15mmHg以下の場合2剤減量で術前眼圧以下
・上記3つの基準で術後3ヶ月以上経過後2回続けて満たさない場合、光覚喪失、追加手術、低眼圧黄斑症、重篤な合併症は不成功とした
・結果:再手術時平均年齢63.8歳(±18.7) 手術間隔2.1(0.7-4.0)年
・平均観察期間4.2年 術前眼圧 25.7(±9.3)mmHg(3-50) 点眼数 3.4(±1.2) モデルFP-755眼、S-2 55眼
1年,3年、5年の各基準での生存率
1) 70%、64.8%、50.6%
2) 62.8%、55.4%、36.2%
3) 56.9%、51.1%、30.3%
・不成功の要因の最大は眼圧下降不十分
・10眼は追加手術(うち9眼は3個目のAGV)
・8眼は光覚喪失
・リスクファクターとして若年者(基準1-3)と高血圧(基準3)は成績が良くない
・角膜移植は基準2でprotective factorであった(MM)
Measurement and associations of the optic nerve subarachnoid space in normal tension and primary open-angle glaucoma.
Liu H et al(China)
Amer J Ophthalmol 186(2): 128-137, 2018
・視神経の強膜部から7mmまでのくも膜下腔の面積(ONSASA)を40名のNTG、42名のPOAG、45名のCtrlで測定した。
・測定には12.5MHzの超音波Bモ-ドを用いた
・眼球後方3mmから7mmのONSASAはNTGでは5.15±0.81mm2と小さく、POAGの6.24±1.62(p=0.0008)、Ctrlの6.40±2.20(p=0.0007)と比較して有意差があった
・POAGとCtrl間には有意差はなかった。
・NTGではONSASAは平均眼圧(p=0.004)、最高眼圧(p=0.007)と有意に関連していた
・視神経の直径は、NTG:POAG:Ctrlでは、2.94±0.35:2.96±0.29:3.24±0.29、視神経鞘直径は、4.48±037:4.68±0.37:4.99±0.39、視神経鞘だけの径は、1.54±0.24:1.74±0.20:1.72±0.19で、NTGでは有意に小さかった。(TY)
Scleral lenses reduce the need for corneal transplants in severe keratoconus.
Koppen C et al(Belgium)
Amer J Ophthalmol 185(1): 43-47, 2018
・2010年から2014年に円錐角膜外来を訪れた円錐角膜患者で、Scheimpflug像の矢状断で70D以上の角膜曲率半径を示す75眼を対象とした。
・除外したものは弱視、知能障害者、視力に影響する他の眼疾患を持つものである。
・8眼は強膜レンズは効果がないか、レンズが使用できずに角膜移植となった。
・12眼は他眼の視力が良いかCLの適応でないため行わず、3眼は現在のCLが順調なため適応にならなかったため、51眼が対象となった。
・強膜レンズでの視力上昇は小数点で0.54±0.18であった。
・51眼の内、7眼は経過を追えず脱落、4眼は脱落したため、40眼が最後まで、平均30.15±12.8ヶ月間、強膜CLが使用できたことから、強膜CLは角膜移植のタイミングを遅らせることができると考えた。(TY)
Trabecular meshwork height in primary open-angle glaucoma versus primary angle-closure glaucoma.
Masis M et al(CA USA)
Amer J Ophthalmol 183(11): 42-47, 2017
・OCTを用いて、線維柱帯の高さを123例260眼のPOAGと123例199眼のPACGで調べた。
・POAGでは812±13μm、PACGでは732±27μmで有意差があり(p=0.004)、PACGでは有意に線維柱帯の高さが低いことが分った。
・ただし、眼軸長を考慮して多変量解析するとこの有意差はなくなった。
・これは、眼軸長と線維柱帯の高さには強い相関があるからである(TY)
Evaluating Structural Progression of Retinitis Pigmentosa After Cataract Surgery
JOAQUIN O.DE ROJAS, et al. (NY,USA)
Am J Ophthalmol 2017(8);180: 117-123.
目的:白内障手術によってRPが進行するかどうか、ellipsoid zone (EZ)幅の損失率などを比較することによって検討した。
対象と方法:RP 70眼(白内障手術群19眼と非手術群51眼)を対象とした。平均経過観察期間768日。
遺伝形式は常染色体性劣性RP(ARRP)50眼、常染色体優性RP(ADRP)18眼、X連鎖性RP(XLRP) 2眼
EZの幅はSD-OCTで鼻側から耳側の水平ラインで測定した。
ベースライン時、ERMやCMEのパーセンテージ、ベースラインのEZ幅は群間で差がなかった。
結果:白内障手術群19眼の内、術後CMEが認められたのは6眼だったが、術後に増えたのは2眼だった。(表2)
視力は術前0.33±0.20 logMARから術後最終視力0.19±0.17 logMARと改善した。後嚢破損、眼内レンズ偏位、眼内炎は認められなかった。
EZ幅の減少率は白内障手術群 -0.42μm/day、非手術群 -0.33μm/dayで有意差はなかった。
ベースラインのEZ幅が1000μm未満での「非常に重度のRP」眼では、ベースラインEZ幅1000μm以上の「重度のRP」眼と比較して減少率に有意差はなかった。(P = 0.36)。
ARRP群はAORP群より有意に早いRPの悪化を示した(P = 0.005)。(表3)
年齢、ベースラインEZ幅、遺伝様式、および白内障手術状態を含む多変量解析では、遺伝様式が進行速度と独立して関連していた(P =0.003)。白内障手術は、RPの進行と関連していなかった(P = 0.23)。
性別、ベースライン時のCME、ERM、PSCの存在もRPの進行と関連していなかった(P>0.05)。
結論: 白内障手術はRPの進行に影響しないと思われた。
白内障手術は、疾患の重症度に関係なく、RP患者において安全かつ有効であることを示唆している。(CH)
Orbital and Orbitocranial Trauma From Pencil Fragments: Role of Timely Diagnosis and Management.
Cho WK, Ko AC, Eatamadi H, Al-Ali A, Abboud JP, Kikkawa DO, Korn BS.(Korea)
Am J Ophthalmol. 2017 Aug;180:46-54.
・2施設における眼窩・頭蓋内を貫通した鉛筆破片異物の4症例
・3例が2歳以下、残りは34歳男性(自殺企図)
・3例で初診時に異物を発見できず、1例で異物摘出するも視力喪失
【結論】眼窩周囲の鉛筆の穿孔外傷と鉛筆片の残存を見逃すことは生命や視力を脅かす。残存異物の発見には放射線学的検索が必要。迅速な(<48h)異物片の発見と摘出、抗生剤の投与が視力と生命を救うことができる(MK)
Diabetic microaneurysms internal reflectivity on spectral-domain optical coherence tomography and optical coherence tomography angiography detection.
Parravano M et al(Italy)
Amer J Ophathalmol 179(7): 90-96, 2017
・黄斑浮腫のない非増殖性DMR16例について、その毛細血管瘤のSD-OCTとOCTA画像を比較した。
・SD-OCT上では、145個のMAが見つかり、47個(32.4%)は高反射像、71個(49%)は中反射像、27個(18.6%)は低反射像であった。
・このうち、画像がはっきりしている135個についてOCTA結果を見ると、76個(56.3%)は深層毛細血管叢DCPのみにみられ、9個(6.7%)だけが表層毛細血管叢SCPにあり、29個(21.5%)はDCPとSCPにあり、21個(15.6%)はOCTAでは見つからなかった。
OCTAで見つかったものは、SD-OCTでの高反射像(40/47 88.9%)、中反射像(56/71 88.9%)、低反射像(18/27 66.7%)で、高反射像のものの方が有意に見つけやすかった(TY)。
Retinal pigment epithelium humps in high myopia.
Marchese A et al(Italy)
Amer J Ophthalmol 182(7): 56-61, 2017
・高度近視眼で、OCT上、RPEの盛り上りがあり、その他に病変が見つからない症例を検討した。
・対象は18歳以上の6D以上あるいは眼軸長が26.5mm以上の近視で、白内障手術以外の手術既往もない101例の高度近視である。
・195眼中99眼(50.8%)でOCTのRPE humpがみつかり、いずれも大きな脈絡膜血管がRPEを持ち上げていた。
・この病態を知っておくことは病的なRPE剥離やCNVとの鑑別に重要である(図3)(TY)
Quantitative retinal vascular changes in obstructive sleep apnea.
Tong JY et al(Australia)
Amer J Ophthalmol 182(7): 72-80, 2017
・115例の閉塞性睡眠時無呼吸OSAをapnea-hypopnea index(AHI)で重症度を分類し、平均網膜動脈径CRAEと平均網膜静脈系CRVE、動静脈比AVRを求めて比較した。
・AHIの重症度が上がるほどAVR(p=.0008)、CRAE(p=0.016)は有意に減少しており、また、網膜動脈(p=0.028)、網膜静脈(p<0.001)の拍動幅も小さくなっていた。(図2)(TY)
Microbial keratitis after penetrating keratoplasty.
Sun J et al(Taiwan)
Amer J Ophthalmol 178(6): 150-156, 2017
・全層角膜移植後の感染症について検討した。
・2000.1~2009.12の間に国立台湾大学で行われた871例のPK後に発生した52眼(67回)の培養陽性感染症を対象とした。
・1年以内の発症は32眼(47.8%)であった。
・グラム陽性菌が44眼(57.9%)、グラム陰性菌が17眼(22.4%)、真菌が15眼(19.7%)。
・感染治癒後に透明治癒したものは23眼(34.3%、25-3962日、平均1127日の経過観察)。
・予後にはPK手術をする原疾患は関係しておらず、縫合糸関連の感染は透明治癒する比率が高かった(p=0.02)。
・緑内障治療薬を使用していた者では透明治癒しない確率が上がっていた。(TY)
Comparing the Rates of Retinal Nerve Fiber Layer and Ganglion Cell-Inner Plexiform Layer Loss in Healthy Eyes and in Glaucoma Eyes
Naama HaMMEL et al (UCSD, CA,USA)
Am J Ophthalmol 178(6): 38-50, 2017
正常眼(28例56眼)と緑内障眼(97例76眼)でcpRNFLとGC—IPLの変化を比較
初期70例135眼、中期16例21眼、後期11例20眼
観察期間:正常 中央値1.7年、緑内障 中央値3.2年
結果
cpRNFL: healthy; -0.48μm/y、glaucoma; -0.98μm/y 初期から中期で早い傾向
GC-IPL: healthy; -0.14μm/y、glaucoma; -0.57μm/y 中期から後期で早い傾向
緑内障眼ではGC—IPLよりもcpRNFLの変化のほうが有意に早かった
正常眼でも同様の傾向があったが有意差はなし
進行期緑内障ではGCIPL変化を検出できた
変化率で比較しても同様であった
平均の黄斑部GCIPLと下方のcpRNFL、下方の黄斑部GCIPLと全体および下方のcpRNFLの変化率は有意差があった
結論
緑内障眼では黄斑部GCIPLよりもcpRNFLのほうが変化が早く、正常眼でも同様の傾向があった
黄斑部GCIPLは進行期でも変化を検出できた(MM)
Risk of posterior capsule rupture during cataract surgery in eyes with previous intravitreal injections.
Shalchi Z et al(UK)
Amer J Ophthalmol 177(5): 77-80, 2017
・以前に硝子体内注射IVIを受けた眼の白内障手術時の後嚢破損のリスクについて検討した。
・MoorfieldsとOpenEyesのデータベースから、2012/1/1~2015/8/31の全白内障手術62,994例について調査した。
・1,035例(1.64%)で以前にIVI処置を受けており、後嚢破損PCRは650例(1.04%)で発生していた。
・ロジスティック回帰分析ではIVIの既往はPCRのリスクが高くなっていた(OR=1.66,95%CI=1.03-2.69,p=0.037)。
・IVIの回数、IVIの病院などはPCRのリスクに関連していなかった(p>0.1)。
・IVI時に水晶体に触れていた可能性、IVIが必要であった症例の手術が難しかったことなどなども考えられた。
・その他、男性(OR=1.49 p=0.00)、未熟な術者(OR=1.48 p=0.00)がリスクに関連していた。(TY)