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Retina

2014
34巻

中心性網脈絡膜症と中心窩脈絡膜脈絡膜窩

Retina 34巻 (6号) 2014

Characteristics of central serous chorioretinopahty complicated by focal choroidal excavation.
Suzuki M et al(阪大)
Retina 34(6): 1216-1222, 2014
・中心窩脈絡膜脈絡膜窩FCEのある中心性網脈絡膜症CSCの7例7眼(56.9±9.8歳)について検討した。
・7例中6例では漏出点はFCE縁にあった。
・また、ICG検査ではすべてのFCE領域は低蛍光であったが、後期にはFCE領域周囲の脈絡膜血管からの過浸出により過蛍光となっていた。
・CSCにFCEが合併していると脈絡膜過蛍光やRPE萎縮があり、判定が難しくなる。(TY)

2014
34巻

コーヒー摂取による脈絡膜厚の変化

Retina 34巻 (6号) 2014

Choroidal thickness changes after a single administration of coffee in healthy subjects.
Vural AD et al(Turkey)
Retina 34(6): 1223-1228, 2014
・健康成人がコーヒーを飲んだ時の脈絡膜厚について検討した。
・コーヒーは100mlで57mgカフェイン含有のTurkish Coffeeである。
・62人のコーヒー群と、54名の飲水群で検討。年齢はいずれも32±7歳であり、体重は63~67±15Kg、身長は165±8cmである。
・飲前の脈絡膜厚は、コーヒー群328±79μm、水群311±79で有意差なし(p=0.381)。
・コーヒー群の脈絡膜厚は5m(297μm),30m(288),1h(283),2h(277),3h(282),4h(293),6h(331),24h(330)であり、4hoursまではいずれもp<0.001で有意に薄くなっていたが、6h,24hでは有意差がなくなっていた。
・飲水群では全経過で有意差がなかった。
・このことからコーヒーを飲むと、4時間までは脈絡膜厚が薄くなることがわかった。(TY)

2014
34巻

飛蚊症に対する25G硝子体手術の成績

Retina 34巻 (6号) 2014

Safety, efficacy, and quality of life following sutureless vitrectomy for symptomatic vitreous floaters
John O. Mason Ⅲ et al (Alabama, Birmingham)
Retina 34(6): 1055-1061, 2014
・143名168眼の飛蚊症患者に対する無縫合25G硝子体手術をレトロスペクティブに評価
・平均観察期間18カ月(12-28M)
・手術終了時に周辺部に裂孔がないかを確認(7.1%で発生)
・PVDを起こしても大丈夫なのかは症例数が少なく不明(術中PVDを起こしたのは12眼のみ)
・術後RRDの発生や、大きな合併症は無
・有水晶体眼40例中17例で白内障進行(既報では50-60%)
・96%は満足(術後電話で確認)

参考:Pars plana vitrectomy for disturbing primary vitreous floaters: clinical outcome and patient satisfaction
K. F. de Nie et al.  Graefes Arch Cli Exp Ophthalmol 251(5): 1373-1382, 2013
20G/23Gでの手術成績:満足度は同程度だが、術後合併症が多かった。(MM)

2014
34巻

黄斑前膜ILM剥離後の黄斑円孔

Retina 34巻 (5号) 2014

Postoperative macular hole formation after vitrectomy with internal limiting mambrane peeling for the treatment of preretinal membrane.
Rush RB et al(Australia)
Retina 34(5): 890-896, 2014
・黄斑前膜に対してILM剥離を行った423例のうち、術後に黄斑円孔を発生した11例について検討した。
・発症率は2.6%(95%CI=1.5-4.6%)で、2例は中心部の黄斑円孔(0.5% 95%CI=0.1-1.7%)、9例は傍中心窩の円孔であった(2.1% 95%CI=1.1-4.0%)。
・黄斑円孔の直径は114.5μm(95%CI=85.4-203.6μm)、円孔検出までの期間は4.2週(95%CI=2.5-5.6W)。
・この9例の傍中心窩円孔のうち、円孔の直径は7例は115μm未満、ILM剥離縁に沿って発生したものが7例、黄斑部の上方か耳側に発生したものが8例であった。
・中心部に黄斑円孔のあった2例については、2度目の手術(硝子体手術+ガス注入)を行い、軽快したが、傍中心窩の黄斑円孔は再手術はしなかった。
・円孔の発生と年齢、性、術前視力、眼軸長、術前の中心黄斑厚などとは関係がなかった。(TY)

2014
34巻

2%リドカインによる硝子体内注射後眼内炎の予防

Retina 34巻 (5号) 2014

Antibacterial properties of 2% lidocaine and reduced rate of endophthalmitis after intravitreal injection.
Tustin A et al(GA USA)
Retina 34(5): 935-942, 2014
・結膜下への2%リドカイン/0.1%メチルパラベン(リドカイン)の注入が硝子体内注射後の眼内炎の頻度を減らすかどうかを検討するため、in-vitroの実験でリドカインが眼内炎を引き起こす菌に対して抗菌的な作用があるかどうかを検討した。
・リドカインはグラム陽性、陰性、抗酸菌、糸状菌の増殖を抑えることが知られている。
・眼内炎患者から取り出した黄色ブ菌、表皮ブ菌、緑色連鎖球菌をリドカインが入ったものと入らない培養液で10,30,120,240分培養し、コロニー数を24時間後に数えた。
・リドカインは3つの菌に対して抗菌的に働いており、10分間の暴露でコロニー数をそれぞれ、90%(p<0.01)、95%(p<0.001)、92%(p<0.001)減少させ、30分後にはそれぞれ、98%、100%、100%であった。
・臨床例では、15,042回の硝子体内注射で眼内炎は8例発症(0.05%)したが、結膜下へリドカイン0.5mlを注射後5分以上待ち、blebを通して硝子体内へ注射した群では眼内炎の発症頻度は0/6,853で、しなかった群では8/8,189(0.1%)であった。
・2%キシロカインE注射液(メチルパラベン0.1%)、2%リドカイン注射液(パラオキシ安息香酸メチル0.05%)、0.5%マーカイン注射液(メチルパラベン0.08%)。(TY)

2014
34巻

特発性硝子体黄斑癒着の自然経過

Retina 34巻 (4号) 2014

Clinical course of vitreomacular adhesion managed by initial observation.
John VJ et al(FL USA)
Retina 34(4): 442-446, 2014
・臨床的に症状があり、OCTで特発性硝子体黄斑癒着VMAの81例106眼の経過を追った。
・VMAの程度はOCTで分類した。
・G1:中心窩癒着があり不完全な硝子体剥離(43眼41%)、G2:G1所見+網膜内チストか裂け目(56眼52%)、G3:G2+RPE上に腔発生(網膜下液)(7眼7%)。
・平均年齢72.7(41-92)歳で平均23か月(median=18,1-91か月)経過観察した。
・経過観察中に34眼32%が自然緩解、5眼4.7%に硝子体手術を行った。(TY)

2014
34巻

近視性黄斑分離症硝子体手術にガス置換は不要か

Retina 34巻 (4号) 2014

Vitrectomy for myopic foveoschisis with internal limiting membrane peeling and no gas tanponade.
Uchida A et al(慶応大)
Retina 34(4): 455-460, 2014
・近視度-4から-34D、眼軸長28.38~35.90の黄斑円孔のない近視性黄斑分離症9名10眼について、ILM剥離だけ行い、ガス置換を行わずに硝子体手術を行った。
・術前視力logMAR=0.61±0.42(小数点0.24)。初回手術で8眼80%で治癒、2眼は黄斑円孔を発生し、再手術を行った。
・全例解剖学的に改善され、5眼ではlogMAR=0.47±0.48(小数点0.33)まで改善した。
・硝子体網膜境界面での牽引力が原因であり、近視性黄斑分離症にはガス置換は不要であろう(TY)

2014
34巻

片眼性網膜出血

Retina 34巻 (4号) 2014

Hemorrhagic unilateral retinopathy.
Graversen VAK et al(NC USA)
Retina 34(4): 483-489, 2014
・健康な人に発生した片眼性網膜出血の10例11眼について報告。
・網膜深層の出血で、全例女性。
・年齢は48.4(25-83)才で視力は1.0~HM。17か月の経過観察で9眼は自然軽快した。(TY)

2014
34巻

ILM剥離手術後の網膜神経線維層の変化

Retina 34巻 (4号) 2014

Retinal nerve fiber layer thickness modification after internal limiting membrane peeling.
Balducci N et al(Italy)
Retina 34(4): 655-663, 2014
・30例30眼の特発性黄斑円孔あるいは黄斑前膜に対するILM剥離手術後の網膜神経線維層(RNFLT)の変化について、6か所に分けて、術後1,3,6か月後で検討した。
・上耳側、耳側、下耳側、下鼻側、鼻側、上鼻側である。視野は術前と術後6か月で測定。
・術後1か月では耳側を除いた全部位でRNFLTは有意に増大していたが、3か月目には術前値に戻っていた。
・術6か月目では上耳側(p<0.001)、下耳側(p<0.05)、耳側(p<0.001)で術前値より有意に薄くなっており、平均の減少幅は18.2±9.8μmであった。
・RNFLTと視野との間に相関はなかった。
・1か月後のRNFLTの増加は炎症によるものと思われる。
・また、6か月後の耳側3部位でのRNFLT減少はILM剥離による物理的な障害であろうと思われる。(TY)

2014
34巻

近視性黄斑円孔に対するILM片反転手術

Retina 34巻 (4号) 2014

Inverted internal limiting membrane flap technique for surgical repair of myopic macular holes.
Michalewska Z et al(Poland)
Retina 34(4): 664-669, 2014
・網膜剥離を伴わない近視性黄斑円孔に対するILM片反転法について報告する。
・-6D以上の19例の黄斑円孔を伴った近視眼で手術を行った。
・黄斑円孔の閉鎖は内網膜層から始まり、円孔は徐々に組織で埋められていった(図)(TY)

2014
34巻

テノン嚢下トリアムシノロン注入後の薬液動態

Retina 34巻 (4号) 2014

Intravitreal pharmacokinetics after posterior subtenon triamcinolone acetonide injection in vitrectomized rabbit eyes.
Park HU et al(Korea)
Retina 34(4): 801-806, 2014
・35頭のrabbit眼で、後部テノン下へ注入したtriamcinolone acetonide(TA)40mg/ml注入の効果を調査した。
・1眼は硝子体手術眼で、両眼に注入し、1,3,7,14,28,56,84日目に5頭ずつ眼球摘出を行い、硝子体内TA濃度を測定した。
・経硝子体術眼:コントロール眼での硝子体内濃度はそれぞれ、1763:3988(p=0.018)、823:360(p=0.02)、322:154(p=0.036)、113:49(p=0.042)、36:31(p>0.2)、14:15(p>0.8)、7:8(p>0.7)ng/mlであった。
・硝子体内TAの半減期は23.3日:28.9日であった。
・経硝子体術眼ではTAの半減期は短くなるが、初期の濃度は高く、同じ様な治療効果が期待できる(図)(TY)

2014
34巻

出血性の片眼網膜症

Retina 34巻 (3号) 2014

Hemorrhagic unilateral retinopathy
Veronica A. Kon Graversen et al.(NC USA)
RETINA 34(3):483-489, 2014
目的:健常者に出血性の片眼網膜症が発症した場合の考えられる病因を検討する。
結果:説明のつかない片眼網膜内出血を発症した10名11眼で全員女性。平均48.4才(25~83才)。主訴は突然の視力低下であるが視力は1.0から手動弁まであった。
平均17か月の経過観察で9眼は自然治癒し、視力も改善した。
網膜内出血は全身的に貧血、凝固系の亢進、白血病、血管閉塞性疾患、DM、高血圧、眼内新生血管などの結果として発症しやすいが、健常者でも鈍的外傷、極度な運動、高い標高にさらされた時、遺伝的体質、揺さぶられ症候群などで発症しうる。中には全く原因不明のものもある。今回、健常であまり高齢でない女性は突然の中心視力の低下を訴えた。11眼中5眼はわずかに静脈が拡張、FAを行った10眼中4眼は動静脈の血流がゆるやかであった。全員この出血を説明できる全身疾患も激しい運動、外傷も無かった。眼内炎症も無く、他眼は正常。女性だからという理由も無し。クモ膜下、硬膜下への注射後などに発症するならば両側性と考えられる。今回の全例の所見はCRVOとは異なり、黄斑浮腫は認めず、FA上乳頭出血、血管閉塞等の所見もなく、こういった症例を1つの出血性片眼網膜症と命名して良いかもしれない。(YM)

2014
34巻

硝子体注射後の非ステロイド点眼

Retina 34巻 (3号) 2014

TOPICAL NEPAFENAC AFTER INTRA VITREAL INJECTION
A Prospective Double-Masked Randomized Controlled Trial
J. NIKLAS ULRICH (North Carolina, U.S.)
RETINA 34(3): 509-511, 2014
・1滴のnepafenac(ネバナック点眼)とプラセボを比較し、硝子体注射後の眼球の不快感を和らげる事ができるかどうかを評価する。
・2011.10月〜12月の間、ノースカロライナ大学で治療を受けた120人。(AMD,RVO,DMEの為、bevacizumab又はranibizumab硝子体注射を受けた人)(表1)注射後nepafenac点眼またはSystanane Ultra点眼をした。
・痛みレベル 0〜3(0:痛み無し、1:軽い痛み、2:中等度の痛み、3:激しい痛み)を、注射後1、6、24時間後に評価した。
・nepafenac点眼群で6時間後に際立って痛みスコアが低くなった。(表2)
さらに、各グループから痛みスコアの高かった患者20人ずつ選び、比較検討したところ、nepafenac点眼群で6,24時間後に有意に低いスコアになった。(表3)
・たった1滴のnepafenac点眼が硝子体注射後の不快感を減らす効果があると思われた。(CH)

2014
34巻

近視性中心窩分離症に対するガスタンポナーデなしの内境界膜剝離を行った硝子体手術結果

Retina 34巻 (3号) 2014

VITRECTOMY FOR MYOPIC FOVEOSCHISIS WITH INTERNAL UMITING MEMBRANE PEEUNG AND NO GAS TAMPONADE
ATSURO UCHIDA, et al. (慶応大学)
RETINA 34(3): 455-460,2014
・近視性中心窩分離症に対するガスタンポナーデなしの内境界膜剝離を行った硝子体手術結果を評価する。
・9人10眼(男性2人、女性7人)平均年齢60.4±10.4歳、平均経過観察期間23.0±9.84ヶ月、平均屈折値 -15.64D(-4〜-34D)、平均眼軸長30.76±2.4mm( 28.38〜35.90mm )、有水晶体眼9眼
 RSタイプ 4例、 FD(網膜中心窩剝離を伴う)タイプ 6例
・術後8.2±5.3ヶ月で8例改善した。その内4例は完全に治った。視力は、改善5例、不変3例、悪化2例。
改善しなかった2例はRSタイプで、術後10〜11ヶ月後にMHになった。
追加手術で残存ILMが見つかった。
・残存ILMが網膜分離の減少を中断させたかもしれない。残存ILMは術後の収縮の有無にかかわらず、合併症の要因になると考えられた。
OCTで残存ILMないか、しっかり確認する事が大切。
・近視性中心窩分離症に対するガスタンポナーデなしの内境界膜剝離を行った硝子体手術は効果的な方法であることを示唆する。(CH)

2014
34巻

黄斑円孔硝子体手術中のOCT検査

Retina 34巻 (2号) 2014

Intrasurgical dynamics of macular hole surgery. An assessment of suggery-induced ultrastructural alterations with intraoperative optical coherence tomography.
Ehlers JP et al(OH USA)
Retina 34(2): 213-221, 2014
・21例の黄斑円孔硝子体手術中にOCT検査を行い、MH容積、最少径、基底面積、円孔高さなどを測定した。
・ILM剥離を行うと、MH容積増加(0.14±0.116→0.160±0.129mm3 p=0.026)、基底面積増加(0.576±0.462→0.780±0.596mm2 p=0.002)、基底直径増加(1007±427→1261±476mm p=0.0003)、頂点面積は減少(0.391±0.360→0.202±0.178mm2 p=0.017)、IS/OS-RPE高さ増加(39.4±7.5→49.5±11.2μm p=0.0002)。
・ILM剥離方法や術者の経験年数などはこれらに無関係であった。(TY)

2014
34巻

視神経乳頭ピットに対するガス注入の効果

Retina 34巻 (2号) 2014

Intravitreal gas injection without vitrectomy for macular detchment asociated with an optic disk pit.
Akiyama H et al(群大)
Retina 34(2): 222-227, 2014
・8例の連続した視神経乳頭ピットに伴った網膜剥離症例(平均35歳 15-74歳)に対し、100%SF6ガスを0.3ml注入。
・前房穿刺は行わず、処置後5日間うつ伏せ姿勢をとった。
・8例中4例は完全に網膜剥離は消失した(ガス注入回数は平均1.8回(1-2回)。復位の得られなかった4例には硝子体手術を行い、全例復位と視力改善が得られた。(TY)

2014
34巻

黄斑前膜と眼底自発蛍光

Retina 34巻 (2号) 2014

Possible role for fundus autofluorescence as a predictive factor for visual acuity recovery after epiretinal membrane surgery.
Brito PN et al(Portugal)
Retina 34(2): 273-280, 2014
・黄斑前膜に対する硝子体手術を行った26名について検討した。
・術前の検査項目は中心窩自発蛍光fovAF、IS/OSラインの完全性、外境界膜の完全性、中心窩厚、中心窩形態である。
・IS/OSラインが平坦であった全例で中心窩自発蛍光は正常であったが、IS/OS断裂例では中心窩低自発蛍光のあるもの、正常なものがあったが、正常なものでは経過観察中にIS/OSが正常化した。
・最終的な視力と相関があったのは、術前の視力(p=0.047)と中心窩自発蛍光の障害程度であった(p=0.023)。
・中心窩自発蛍光は機能的なRPE-視細胞複合体の機能を表していると考えた。(TY)

2014
34巻

Reticular pseudodrusenの網膜感度

Retina 34巻 (2号) 2014

Impact of reticular pseudodrusen on macular function.
Querques G et al(Italy)
Retina 34(2): 321-329, 2014
・18例18眼のReticular pseudodrusenで中等度以上のドルーゼンのない(Group1 77.3±6.8歳)と、年齢をマッチさせた18例18眼の典型的なドルーゼン例(Group2 75.0±9.9歳)で、microperimetryを用いた黄斑機能測定を行い、検討した。
・視力はG1は0.14±0.09(小数点0.72)と0.13±0.09logMAR(小数点0.74)である。
・Microperimetry感度は、7×7分の49点の平均は5.9±1.7dB:8.8±2.4dB(p<0.001)、中心窩感度3×3分9点では、6.9±1.7:8.9±2.6(p=0.01)、7×7から3×3を抜いた40点の傍中心窩感度は5.7±1.8:8.7±2.3(p<0.001)であった。
・Group1では、傍中心窩感度が特に低下していたことが分かった(8.7:8.9 p=0.04)。(TY)

2014
34巻

硝子体注射後の眼内炎の頻度-1

Retina 34巻 (1号) 2014

Incidence of persumed endophthalmitis after intravitreal injection performed in the operating room. A retrospective multicenter study.
Casparis H et al(Switzerland)
Retina 34(1): 12-17, 2014
・抗VEGF薬を手術室で硝子体内注入(IVI)した後の眼内炎の頻度を調査した。
・IVI後の眼内炎頻度は0%~0.0649%との報告がある。
・2004~2012年に行われた2つの眼病院でIVIされた患者のうち、その後に硝子体内への抗生剤注入で眼内炎治療が行われた症例を抽出した。
・IVIは全てSwiss Class1の手術室で行われている。
・全例でIVI前の抗生剤点眼は使用しておらず、IVI後の抗生剤点眼は1つの病院だけで行われていた。
・全部で40,011回のIVI(ranibizumab:36,398、bevacizumab:3,518、aflibercept:89眼)であり、そのうち3症例(0.075% 95%CI=0.0026-0.0220%)で眼内炎が発症(13,339回のIVIに1例)。
・3例ともranibizumab注射後であり、全例で前房ならびに硝子体から菌は検出されなかった。
・このうち2/3症例では術後に抗生剤点眼薬を使用していた。
・手術室でのIVI後の眼内炎のリスクは非常に低かった(TY)

2014
34巻

硝子体注射後の眼内炎の頻度-2

Retina 34巻 (1号) 2014

Endophthalmitis associated with intravitreal injections. Office-based setting and operating room setting.
Tabandeh H et al(FL USA)
Retina 34(1): 18-23, 2014
・外来での硝子体内注射(IVI)と手術室でのIVIとで眼内炎の比率が違うかどうかを検討した。
・2009/1~2011/12に2名の眼科医が行ったIVIの11,710眼で、外来で行ったA群8,647眼(ranibizumab:2041、bevacizumab:6169、TA:437)と手術室で行ったB群3,063眼(ranibizumab:683、bevacizumab:2364、TA:16)とを比較。
・眼内炎の発症は5/11710眼(0.043%)で、3眼はA群、2眼がB群であった(p=0.61)。
・両場所での差は、外来ではマスクなし、手袋なし、ドレープなし、手技中の会話制限なし、処置前の抗生剤点眼なしであったが、手術室の場合はすべて[あり]としていた。(TY)

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